ミニチュアのペチュニアのような、花期が長く育てやすいカリブラコア
カリブラコアは、ブラジル南部、ペルー、チリに約28種が分布するナス科の多年草になります。
以前は、ペチュニア属に分類されていましたが、1990年に小輪多花性の28種が分離され、カリブラコア属として独立しました。
過去、ペチュニア属に分類されていた過去がある通り、ペチュニアによく似た小型の花を咲かせます。
カリブラコアが観賞用として栽培されるようになったのは、近年になってからです。
1980年代に日本の園芸会社であるサントリーフラワーズが数種の原種を掛け合わせてハイブリット化を試みて、1990年代に世界初のハイブリッド品種「ミリオンベル」を発売しました。
これをきっかけとして、それまで園芸品種として栽培されることのなかったカリブラコアが花壇を彩る花をして認知されるようになりました。
現在、世界に流通する多くの苗がサントリーフラワーズのハイブリッド品種となっています。
歴史の浅い園芸植物ですが、現在も盛んに品種改良がおこなわれており、数多くの園芸品種が作出されています。
また、近年ではペチュニアとカリブラコアの中間種も流通するようになり、今後も期待される園芸植物となるでしょう。
カリブラコアは、本来は多年草ですが、耐寒性がやや低く、1年草として扱われるのが一般的ですが、暖地であれば霜よけをすれば冬越しも可能です。
ただし、2年目以降はウイルス病やモザイク病などが発生し、あまりよい花が咲かないことが多いので、1年草と割り切って育てた方が無難です。
花期は4月~11月、花期になると分枝下茎の頂部に、花径2~3cm程度の小さな花を咲かせます。
花は筒状で花冠が浅く、5裂して平らに開いており、花色はペチュニアにはないオレンジ、鮮やかな黄色、茶色など非常に多彩な花色が特徴となっています。
また、花付きも非常によく、最盛期には株を覆うように無数の花を咲かせてくれる為、見ごたえがあります。
ペチュニアよりも丈夫な性質を持ち、ペチュニアのように茎に粘着性がないのでお世話しやすく、ビギナーさんにも育てやすい植物です。
花付きも非常によく、最盛期には株を覆うように無数の花を咲かせてくれる為、見ごたえがあります。
ペチュニアよりも丈夫な性質を持ち、ペチュニアのように茎に粘着性がないのでお世話しやすく、ビギナーさんにも育てやすい植物です。
カリブラコアの土について
有機質に富んだ、水はけのよい、弱酸性の土を好みます。
市販の培養土でも育てることができますが、酸度が弱アルカリ性~中性になっていることが多いので、生育が良くない場合は、赤玉土2~3割加えたり、酸度無調整ピートモスを2~3割加えるなどして酸度を弱酸性に調整するとよいでしょう。
自作する場合には、赤玉土5、腐葉土3、酸度調整済みピートモス2を混ぜたものに、リン酸分の多い緩効性肥料を5g/Lを混ぜるようにします。
それぞれの土については、こちらで詳しく紹介していますので参考にしてみてください。
土の酸度の調整については、こちらで紹介しています。
カリブラコアの肥料について
植え付けの際に、元肥として緩効性肥料を混ぜ込むようにします。
多肥を好みますので、3月~11月の生育期には、2週間に1回程度液体肥料を追肥するようにしましょう。
カリブラコアの苗の選び方について
徒長していない、節の詰まった苗を選ぶようにします。
苗の選び方については、こちら、苗の植え付けについてはこちら、でも紹介していますので参考にしてみてください。
カリブラコアの種まきについて
カリブラコアは、種まきでも育てることができますが、販売はされていませんので自家採種の種になります。
カリブラコアは種ができにくい性質ですが、花付きが良いので多少の種は採種することができるでしょう。
自家採種した種からは、親株と同じ花が咲くとは限りません。
種まきの適期は、3~5月、9月になり、発芽適温は20℃前後になります。
種が硬く、そのままの状態では発芽率が下がりますので、まく前に種に傷をつけておくようにします。
種は育種箱やピート板にまくようにし、好光性種子のため覆土はしません。
発芽率を上げる方法などは、こちらでも紹介していますので参考にしてみてください。
発芽後、本場が3~4枚程度になったらポット上げを行うようにします。
秋撒きの場合には、防寒対策が必要となります。
暖地であれば、霜の心配のない日当たりのよい場所で冬越し可能です。
カリブラコアの挿し芽について
カリブラコアは挿し穂で増やすことができます。
適期は、5~6月、9月になります。
挿し穂は、茎を7cm程度に切り取り、下の節の葉を取り除いて、水揚げをしてから挿し穂用の土に挿すようにします。
明るい日陰で、水を切らさないように管理して発根を待ちます。
カリブラコアの日当たりについて
日光を好みますので、日当たりのよい、風通しのよい環境で管理するようにします。
カリブラコアの水やりについて
土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出る程度たっぷりと水やりを行うようにします。
カリブラコアの花がら摘みについて
次々と長く花を咲かせてくれますので、花がらはこまめに取り除くようにします。
花がらをそのまま放置すると、病気の原因にもなりますので注意しましょう。
カリブラコアの摘心について
植え付けて2週間後くらいに摘心を行うようにします。
分茎性のよい植物ですが、先端の芽を摘心することで、側枝が伸びて花数を増やすことができます。
カリブラコアの切り戻しについて
梅雨前頃に、茎の長さの2/1程度を目安に切り戻しを行うようにします。
夏場は草姿が乱れがちですので、基本的には切り戻しを行うようにすると、秋からまた花を楽しむことができます。
切り戻しをすると、風通しがよくなり、蒸れを防いで病気の予防になります。
カリブラコアの温度について
寒さにはやや弱い性質ですが、暖地であれば霜をさければ容易に冬越しすることができます。
夏場は草姿が乱れがちですので、切り戻しを行うようにすると、蒸れと病気を予防することができます。
カリブラコアの病害虫について
多湿な環境を嫌うので、風通しがよい環境で管理するようにします。
多湿な環境では、灰色カビ病が発生しやすくなります。
花がらや枯れ葉をこまめに取り除き、株を清潔な状態に保ってやるようにしましょう。
また、花に水がかかってしまうと病気の原因になりますので、株元に水やりを行うようにしましょう。
泥はねで株に土が付着すると、病気の原因になることがありますので、株元にバークチップなどを敷いて泥はねを防いでやるとよいでしょう。
連作障害が出やすいナス科の植物ですので、ナス科の植物を繰り替えし同じ場所で栽培すると生育不良を起こしたり、病気に罹りやすくなります。
ペチュニア、鑑賞用トウガラシ、ホオズキなどもナス科になりますので注意しましょう。
アブラムシはウイルス病を媒介することがありますので、見つけ次第速やかに駆除するようにしましょう。
比較的新しい園芸植物で、とても丈夫で育てやすく、花も長く楽しめる、いいことずくめのカリブラコア。
あなたも、カリブラコアを育てて、ガーデニングを楽しんでみませんか?
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