種まきの発芽率をあげるには、休眠してしまった種の休眠打破

ガーデニング豆知識

種まきで発芽するための条件

種は、主に水分、温度、酸素の3つの条件が整っていれば発芽します。

その他に特別な条件として、光、低温などが必要なものもあります。

それぞれの植物には発芽適温があり、その植物の元々の自生地で自然に発芽する時期の地温がそれにあたります。

ですので、地温がその植物の発芽適温になる時期に合わせて種まきを行います。

種まきをしたら、たっぷりと水やりを行い、乾燥させないようにします。

種が小さく、上から水やりを行うと種が流されそうな場合は、底面から給水させるようにします。

また種まきを行う用土は、水はけ、水もちの良い土を使用するようにし、バーミキュライトや市販の種まきの土などがよく利用されます。

発芽には、水分はとても重要な要素です。

種が吸水し、吸水した水を利用しながら必要なタンパク質を合成し、生理代謝活動を開始します。

水は種を膨潤させ、細胞内の器官や物質を再活性化させ、いろいろな代謝活動の溶媒として使用されます。

それらを行うための水分が足りない状態では、最初のスタートを切ることができません。

種の中で胚の生長が始まり、細胞分裂が進むにしたがって大きさが次第に増し、発芽の物理的障害である種皮を胚が破ります。

また、発芽が始まると、幼根と幼芽が生長して急激な吸水が起こります。

この時吸水された水分は、発芽直後の急激に細胞分裂する際に利用されるので、発芽には水分は不可欠なのです。

 

 

 

 

発芽に光を必要とする種は、覆土はしません。

覆土が必要な種の場合でも、種の大きさの何倍もの厚さに覆土する必要はありません。

種の大きさ又はその倍程度の厚さで大丈夫ですので、注意するようにしましょう。

水分、温度、酸素の三要素の他に、特別な条件として光を必要とする好光性種子(光発芽種子)には、ペチュニアプリムラ類、コリウス、ベゴニア、インパチェンスなどがあります。

一般的には、強い光で良く育つ植物(陽生植物)が、発芽に光を必要とするものが多く、光の強い環境で育つために光のある条件でないと発芽しないように適応したものと思われます。

また逆に、嫌光性種子(暗発芽種子)には、ヒャクニチソウ、シクラメン、ヒナゲシ、ネモフィラなどがあります。

他に、特別な条件として低温が必要なものとしては、バラサクラソウなどがあります。

ただし、低温にするのは、種を湿らせてからでないと効果はありません。

これ以外にも、硬実種子という種類もあります。

この硬実種子は、これまで紹介したような条件が満たされてもそのままでは発芽することができません。

種皮が硬いため、そのままでは発芽できず、人の手で種皮に傷をつけてやったり、ぬるめのお湯に種を浸して種皮をふやかして吸水させてやると発芽してくれます。

アサガオ、スイートピー、ルピナスなどがそのような処置を必要とします。

その他にも、バーベナなどは外皮をお湯で洗って発芽させますし、センニチコウやナスタチウムなどは殻を外す処理をしてやります。

また、温帯性の植物では種が熟してから休眠に入るものが多く、一旦休眠に入ってしまった種はなかなか目覚めてくれないことがあります。

休眠しやすいものとして、クレマチス、バラなどがあります。

休眠は、植物体内のホルモンにより調節されているので、そのホルモンバランスを整えてやる必要があります。

よく用いられる方法としては、ジベレリンという植物ホルモンで処理を行う方法があります。

ジベレリンには、休眠ホルモンの量を低下させる働きがあるので、ジベレリンを適当な濃度に溶かした液に、一晩から一日浸漬してやると休眠を打破して発芽するようになります。

ジベレリン処理した種は、通常の方法で種まきを行います。

ジベレリンは、ホームセンターや園芸店で流通しています。

 

 

また、種まきの土や鉢についてこちらでも紹介していますので、参考にしてみてください。

コメント