葉水の効果を知っていますか?
人間でも、暑い時には汗をかいて体温を下げようとしますよね。
植物も、夏の暑い時期などには、植物自体の温度を下げる必要があります。
植物自体も、人間が汗をかくのと同なじように、葉の裏面の気孔から水分を蒸発させて温度を下げようとします。
しかし、その効果にも限界があり、高温になりすぎてしまうと枯れてしまう場合もあります。
そのような時には、人間が霧吹きやじょうろのはす口などを用いて、霧状に水を撒き葉を濡らしてやるようにします。
このようにすることを「葉水」と呼びます。
葉水をして葉に付着した細かい水滴は、蒸発する際に気化熱として温度を下げる働きがありますので、植物自体の温度を下げることができます。
それ以外にも、葉水には葉の表面についたホコリを取り除く効果もあります。
葉についたホコリを取り除く場合には、葉の上から霧状に水を与えてホコリを洗い流すようにするとよいでしょう。
ホコリを取り除かれた葉は、空中に水分を蒸散しやすくなり、また乾燥防止にもなります。
冬場や室内など、乾燥しやすい場合でも「葉水」は効果を発揮してくれます。
その他にも、植物には大敵であるハダニの予防にも、葉水はとても効果があります。
乾燥した環境が大好きなハダニは、実は葉水がとても苦手です。
もしもハダニを発見した場合には、ハダニが潜んでいる葉裏に霧吹きなどで水を散布するか、葉裏から水でハダニを洗い流すようにしてみてください。
このように「葉水」には、高温の場合の植物の温度を下げる働きや、乾燥防止、ハダニの防除などの効果が期待できます。
このようによい効果をもたらしてくれる「葉水」ですが、注意しなければならない点もあります。
葉水には、高温になってしまった植物の温度を下げる働きがありますが、植物によっては水と葉の細胞液との温度差が原因で、葉に障害を起こしてしまうことがあります。
室内でよく栽培されるセントポーリアなどで、高温時に冷たい水をかけてしまうと温度差により、ちょうど輪状に葉が褐変するリングスポットが起こってしまうことがあります。
それ以外にも、葉肉や花弁の柔らかい植物に、日差しの強い真夏などに水やりをし、葉や花弁に水滴が残ってしまうと、それがレンズの役割を果たしてしまい葉や花弁が焼けてしまうことがあります。
また、柔らかい花弁に水やりの水分が残ってしまい、花弁に小さな斑点がつき、症状が進んでしまうと灰色カビ病になってしまうこともあります。
カビの被害にあわないためにも、花弁には水を掛けないように注意して水やりを行うようにしましょう。
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