過湿にさえ気を付ければ確実に花を咲かせてくれる、丈夫で鮮やかな花色の揃うペチュニア
ペチュニアは、ナス科の多年草で花期は3~11月、夏の寄せ植え素材としてとても人気のある植物です。
薄くひらひらとした透けるような花びらの花を、夏場の長期間に渡って咲かせてくれます。
多年草であるペチュニアですが、寒さに弱いため日本では1年草扱いになっています。
剪定を上手に行うと、枝分かれてしてたくさんの花を咲かせ、ハンギングやコンテナ栽培にも適しています。
ペチュニアは、色幅も豊富で多花性、一重咲きから八重咲きまで様々あり、品種も数百種類はあるといわれており、毎年新品種が発売される人気の花です。
ペチュニアの名前は、南米ブラジルで「タバコ」を意味するpetun(ペチュン)に由来しています。
ペチュニアが、最初は同じ「ナス科のタバコ属」として紹介されたことに因んでという説や、葉をタバコの葉と混ぜて吸っていたからという説、花がタバコの花に似ているからという説などがあります。
和名では、「ツクバネアサガオ(突羽根朝顔)」と呼ばれており、花が朝顔に似ており、ガクが羽根突きの羽根に似ていることに由来するといわれています。
少し前までは、ペチュニアは全ての品種を合わせて「ペチュニア」の名で呼ばれていましたが、小輪の種類は「カリブラコア」とも呼ばれるようになりました。
ペチュニアの土について
市販の培養土を利用すると簡単で便利です。
自作する場合には、赤玉土6、腐葉土4を混ぜたものを利用するとよいでしょう。
それぞれの土については、こちらで紹介していますので参考にしてみてください。
ナス科の植物であるペチュニアは、連作障害が起こりますので、昨年ペチュニアを含むナス科の植物を植えた土に植え付けると成長が阻害されてしまいます。
必ず新しい土に植えるか、地植えでは別の植物を交互に植えるなどして連作障害を避けるようにしましょう。
ペチュニアの肥料について
花期の長いペチュニアは、肥料をきちんと与えるようにしましょう。
肥料が切れると、途端に開花しなくなってしまいます。
植え付ける際に、元肥として緩効性肥料を混ぜてやるようにし、花が咲いている期間は1週間に1回、液肥を与えるようにします。
株元の葉が黄色く変色してしまっている時は、生理現象の可能性もありますが、マグネシウム不足が原因の場合があります。
その場合には、苦土石灰を与えてやると回復します。
ペチュニアの植え付けについて
ペチュニアの苗の植え付け時期は、4~7月頃になりますが、4月など霜が降りる可能性があるときは霜に気を付けるようにしましょう。
霜に当たると一発で枯れてしまいます。
ペチュニアの苗について
ペチュニアの苗を購入する場合には、害虫がいない、徒長していない株のしっかりしたもの、株の根元の葉が落ちていない、つぼみがあり、花色がかすれていないものを選ぶようにするとよいでしょう。
上手に育てられるかは、最初の苗選びが重要です。
しっかりした元気の良い苗を植えつけてやるようにしましょう。
少し高価ですが、ブランド苗を購入して育てた方が丈夫で花数も多いのでおすすめです。
ペチュニアの種類について
ペチュニアには、大きくわけてこんもりと丸くまとまるものと、茎を長く伸ばしてハンギングバスケットなどで垂らすのに最適なものなどがあります。
花も一重から八重咲きのものまであり、用途に応じて品種を選ぶようにしましょう。
ペチュニアの種まきについて
発芽適温は20~25℃になります。
暖地では秋か春、寒地では春撒きにします。
種をまいて軽く覆土するか、全く覆土しないようにします。
ペチュニアは明るさを感じないと発芽しないので、土を深く被せないように注意します。
種まき後、明るい日陰で乾燥しないように管理すると、1週間程度で発芽します。
発芽後は15~20℃を維持し、半日陰で管理するようにします。
ペチュニアは種子が非常に小さく、水やりの際流れやすいので苗を購入して育てた方が簡単です。
ペチュニアの日当たりについて
日光を好みますので、日当たりのよい場所で管理するようにします。
半日陰でも育てることはできますが、花付きは悪くなってしまいます。
他の植物に比べると夏の暑さにも強く、真夏の日光で枯れることはありません。
ただし、35℃を超えたあたりから花が開花しなくなり、生育も止まります。
ペチュニアの水やりについて
過湿を苦手としますので、土の表面が乾燥したら鉢底から流れ出る程度たっぷりと水やりを行うようにします。
花にはできるだけ水がかからないように注意しましょう。
特に梅雨の時期は、常の葉が濡れていると病気の原因になります。
ペチュニアは夏の花なので、暑さにより水切れを起こしやすいので、過湿は避ける必要がありますが水切れにならないように注意も必要です。
ペチュニアの摘心、切り戻しについて
ペチュニアは、摘心を繰り返してやるようにすると脇芽が出て、株が大きく花数を増やすことができます。
花が咲く前に、何度か摘心を繰り返して脇芽を増やしてやるようにします。
ある程度花が咲いて一段落したら、株全体を半分か三分の一程度まで切り戻しを行ってやるようにします。
また、梅雨前にも蒸れ対策を兼ねて切り戻してやると病気を予防できます。
生育旺盛な植物ですので、思い切って切っても大丈夫です。
ペチュニアは、放置したままにしておくと徐々に株の中心部に葉や花がなくなってしまいます。
これを防ぐためにも、摘心、切り戻しは必要です。
ペチュニアの花がら摘みについて
花が咲き終わったらこまめに花がらを取り除くようにしましょう。
ペチュニアの葉はべとべとしているため、花がらが葉などにくっついてしまいますので、なるべく取り除いてやるようにしましょう。
ペチュニアの温度について
ペチュニアは、夏の暑さには強く、真夏の日差しでも枯れることはありません。
ただし、35℃を超えると生育が止まり、花も咲かなくなりますので、涼しい場所で管理するようにしてもよいでしょう。
また、本来は多年草なのですが寒さに弱いため、日本では1年草扱いになっています。
霜に当たると枯れてしまいますので、霜には十分に注意するようにしてやりましょう。
ペチュニアの病害虫について
ペチュニアは、とてもべとべととしているのですが、これはべとべとの液を出して害虫を防いでいるのです。
そのため、アブラムシなどは発生しにくくなっています。
同じような花で小ぶりな花を咲かせる「カリブラコア」は、べとべとしていません。
アブラムシは発生しにくいのですが、うどんこ病が発生する場合があります。
日照不足や乾燥でうどんこ病が発生しやすくなります。
元気な株は病気には罹りにくくなりますので、よく日光に当てて元気な株に育てるようにします。
葉に白い粉のようなものがふいていたら、薬剤を散布するなどして防除するようにしましょう。
連作障害などで抵抗力が下がるとハダニの被害などが発生しやすくなります。
また、ペチュニアは光化学スモッグに弱いという性質があります。
都市部で葉に異変があった場合には、光化学スモッグを疑う必要があるかもしれません。
暑さ、乾燥に強く、夏の暑い時期に鮮やかな花を長期に渡って咲かせてくれるペチュニア。
あなたも多くの品種があり、いろいろな花色を楽しめるペチュニアを育ててガーデニングを楽しんでみませんか?
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