鮮やかな花を、次々と長く咲かせてくれるキンセンカ
黄金色の盞(さかずき)に例えられたことから、漢字では金盞花と書かれます。
一年中みられるので、別名はカレンダーの語源と同じ、ラテン語の「Calendae(毎月第一日目)」に由来します。
キンセンカの花ことばには「悲嘆」「寂しさ」「別れの悲しみ」「失望」など、あまりよいイメージではない花ことばがつけられています。
西洋において、キンセンカの花色である黄色はネガティブなイメージがもたれています。
その理由は、キリスト教がローマ帝国時代に迫害を受けていた歴史に関係しています。
キリスト教徒を迫害することを指揮した、ローマ皇帝達が身に着けていた衣の色が、キンセンカと同じ色だったのでそのような花ことばがつけられたようです。
元々は小ぶりの一重咲きの花でしたが、最近では大輪八重咲き種が主流になっています。
品種が多数あり、草丈や花の大きさ、花弁数も様々あります。
とても丈夫で、育てやすく、次々と花を咲かせてくれるガーデニングには強い味方の花です。
花は主に、12月から5月と長く、鮮やかな花を咲かせてくれます。
日本では主に観賞用として栽培されているキンセンカですが、ヨーロッパでは古くから原種をハーブとして利用してきました。
火傷やニキビなど、皮膚のトラブルに効果があると考えられています。
また、花は食用として、料理やサラダの彩りとして使われています。
花弁の鮮やかな色は、加熱しても色あせたりしないことから「貧乏人のサフラン」と呼ばれ、サフランの代用品としても利用されています。
キンセンカの土について
水はけ、水もち両方のバランスのよい土を利用するようにします。
市販の培養土を利用するのも、簡単でおすすめです。
土の酸性に弱い性質がありますので、苦土石灰を混ぜて中和するようにするのもよいでしょう。
用土を自作する場合は、赤玉土7、腐葉土3の割合で混ぜたものを利用するとよいでしょう。
キンセンカの肥料について
地植えでは、植え付け時に元肥として緩効性肥料を混ぜておけば追肥の必要はありませんが、鉢植えの場合は、植え付け時に施す元肥の他に、月に1回程度を目安に、液体肥料を与えるようにします。
キンセンカの種まきについて
苗を購入して栽培する方法もありますが、種まきでも育てることができます。
種まきの適温は15℃~20℃が適温です。
キンセンカの種は、長さ1cmと比較的大きなものですので、ポットに直まきして苗を育てます。
一般的には秋ごろに種まきをしますが、寒冷地では春まきで育苗します。
種まきは、ポットに2~3粒ずつ直まきし、1cm程度覆土します。
子葉が出たら、苗の徒長を防ぐためにもよく日に当てて管理します。
本葉が出始めたら、間引きを行い苗を1本に残します。
間引いた後は、週に1回程度液体肥料を与えるようにしましょう。
本葉が4~6枚程度に育ったら、定植します。
キンセンカの日当たりについて
キンセンカは、日光を好みますので、日当たりのよい場所で管理するようにします。
日照時間が足りない場合、徒長して花付きが悪くなります。
キンセンカの花は、日が当たると花が開き、夜間や天気の悪い日には花を閉じる性質がありますので、日向で育てるようにしましょう。
キンセンカの水やりについて
地植えでは、水やりの必要はありませんが、鉢植えの場合は、土の表面が乾燥したら、鉢底から水が流れ出る程度たっぷりと水やりを行うようにします。
キンセンカの花がら摘み、摘心について
花が終わったら、こまめに花がらを摘み取るようにしましょう。
そのまま花を残しておくと、種を付けるために力を使い花付きも悪くなってしまいます。
花後は、節を残しておくと脇芽が出て初夏まで花を楽しむことができます。
また、花が咲く前の蕾がつかない段階で、茎の先端を切って摘心をしておくと、脇芽がでて花数が増えます。
花が咲く前の摘心と、花後に節を残して花がら摘みをすることで、花数も増え長く楽しむことができますので、ぜひ行ってみてください。
キンセンカの種について
花全体が咲き終わる、5月頃に咲き終わった花をそのまま残しておくと、種ができます。
種取りができる段階になると、グリーンの種がひとつひとつ、ばらけたように隙間ができます。
種がそのような状態になったら、摘み取るようにします。
種をばらしてみると、三日月のようなまがった形に細長い種がとれます。
できるだけ大きな種を選んでおくと、発芽率も上がり健康な株に育てることができます。
種は、できるだけ涼しい場所で保管するようにしましょう。
キンセンカの温度について
耐寒性のある植物ですが、根が凍るほどの場所では株が弱ってしまいます。
霜があたるような場所で管理する場合には、わらなどでマルチングを施して防寒対策を行うようにしましょう。
キンセンカの病害虫について
育苗中にヨトウムシ、アブラムシが発生することがあります。
気温が高くなる頃からは、うどんこ病が発生しやすくなりますので、どちらの場合も薬剤を散布して防除するようにします。
風通しが悪い場所で管理していると、うどんこ病、炭そ病が発生しやすくなりますので、風通しのよい日当たりのよい場所で育てるようにしましょう。
とても丈夫で育てやすく、花が次々と長く咲いてくれる、ガーデニングのビギナーにもおすすめの花です。
あなたも、鮮やかな花色のキンセンカを育てて、ガーデニングを楽しんでみませんか?
コメント