欧米の結婚式の「サムシングブルー」としてブーケなどにも利用される、デルフィニウムの育て方

春夏見頃の花

ブルーの美しい花、欧米では結婚式の「サムシングブルー」としても扱われる、デルフィニウム

原産はヨーロッパなどの北半球の山地に育つ多年草ですが、日本の高温多湿を苦手とするため夏越しするのは難しく、1年草として扱われています。

初夏の切り花には欠かせない、やわらかく重なり合った花びらの質感や、花色などが人気の植物です。

およそ200の原種が存在し、17世紀頃から品種改良が盛んにおこなわれ、1000お超える園芸品種が作られています。

つぼみの形がイルカ(ドルフィン)に似ていることから「デルフィニウム」、日本では花の形がツバメに似ているとして「大飛燕草(オオヒエンソウ)」と呼ばれています。

花のように見えるのですが、実は葉が変化したがくが花びらのように色づいたものになり、中央の白い部分が本来の花になります。

また、ギリシャ神話にもデルフィニウムのことがでてきており、昔オルニトプスという動物が好きな心優しい青年が、海で遊んでいる際に溺れてしまいます。

それを見たイルカ達が、オルニトプスを助け、それ以来イルカ達と仲良くなりますが、それは漁師たちの漁の妨げとなり、イルカ達は捕獲されそうになります。

それを知ったオルニトプスは、わざとイルカ達を逃がして助けますが、漁師達の怒りを買い海に投げ込まれて沈められてしまいました。

青年の死を悲しんだイルカ達が、神様に青年の魂をデルフィニウムの花の姿に生まれ変わらせるよう願ったという言い伝えがあります。

また、慈悲深い愛の象徴として、その青い花色などから「サムシングブルー」として花嫁にふさわしい花としてお祝いに選ばれることも多い花です。

 

 

 

デルフィニウムの土について

酸性の土を嫌い、水はけがよく肥沃な土を好みます。

市販の培養土6に、腐葉土3、たい肥1の割合で混ぜたものを使用するようにするといいでしょう。

 

 

 

デルフィニウムの肥料について

植え付けの際に、元肥として緩効性の肥料を混ぜ込んでやるようにするとよいでしょう。

その後、3月頃葉が展開し始めたら固形肥料を追肥し、月に1~2回程度を目安に液体肥料を与えるようにするとよいでしょう。

 

 

デルフィニウムの苗について

デルフィニウムの苗を植え付ける際には、3月頃、苗同士の間隔を30cm程度空けて植え付けるようにしましょう。

背丈が高くなる品種の場合には、茎が60~70cmほど伸びたら支柱を立てて支えてやるようにします。

苗の選び方についてはこちら、苗の植え付けについてはこちらの記事も参考にしてみてください。

 

 

 

 

デルフィニウムの種まきについて

デルフィニウムの種まきの適温は、15~20℃になります。

寒地では春まき、暖地では秋まきで育てます。

種は暗発芽種になりますので、種が隠れるように覆土するようにします。

発芽日数が10~14日と少し長めですので、水を切らさないように注意します。

発芽したらよく日に当て、苗が大きくなってからの移植を嫌うので本葉が2~3枚程度になったら、ポットに移して育苗するようにします。

植え付け後2週間程度たったら、週に1回を目安に液体肥料を与えしっかりとした株に育てるようにします。

寒さには強い植物ですが、定植する際には霜柱で枯れることがあるので注意しましょう。

 

 

デルフィニウムの日当たりについて

日光を好みますので、日当たりがよく、風通しのよい場所で管理するようにしましょう。

 

 

 

 

デルフィニウムの水やりについて

土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出る程度たっぷりと水やりを行うようにします。

過湿を嫌うので、風通しのよい場所で管理し、水やりのし過ぎに注意するようにしましょう。

 

 

デルフィニウムの花がら摘みについて

デルフィニウムは、花が咲き終わる毎に根元から茎を切る取るようにします。

2ヶ月ほどで次の花を咲かせ、環境の合う寒冷地では年に2~3回程度花を楽しむことができます。

暖地では年に1~2回程度、花を楽しめるでしょう。

また根元から切り落とした際、根元付近から育っている茎を2~3本を残し、他の細い枝は切り落とすことで成長させる茎と新芽に養分を集中させることができます。

 

 

 

 

デルフィニウムの挿し芽について

適期は3~4月になります。

茎が茶色く変色し、木のように硬くなっている部分を少し残して、新芽をつけた茎を切り取ります。

切り口に発根促進剤(ルートンなど)をつけ、湿らせた土に挿します。

挿し木の際の土や鉢についてはこちらの記事を参考にしてみてください。

 

 

 

デルフィニウムの温度について

日本の高温多湿を苦手とするので、本来は多年草なのですが夏越しが難しいため1年草の扱いとなっています。

夏場はなるべく、風通しのよい涼しい環境で管理するようにしてやります。

寒さには強いのですが、まだ苗が小さい頃などは霜柱により枯れてしまうこともあるので防寒対策をとってやるようにしましょう。

 

 

 

デルフィニウムの病害虫について

高温多湿な環境では、うどんこ病や立枯れ病が発生しやすくなります。

白い粉がふいたようになるうどんこ病では、殺菌剤などを散布してやるようにしましょう。

立枯れ病になってしまった場合には、なるべく早めに抜き取り他の株に感染しないようにします。

まれに、ガの幼虫が葉や茎を食害することがありますので、薬剤を散布するなどして防除するようにしましょう。

 

 

 

寒さに強い反面、暑さに弱く寒冷地でなければ夏越しはできませんが、美しい花をたくさん咲かせてくれる人気の花です。

寒冷地以外の方は、1年草と割り切ってこのデルフィニウムの美しい花を育てて、ガーデニングを楽しんでみませんか?

 

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