室内で育てるのに最適、ビギナーさんにも育てやすいテーブルヤシの育て方

観葉植物、多肉植物、花木

耐陰性があり、大きくなりにくい、室内で楽しむのに最適なテーブルヤシ

テーブルヤシは、約100種類ほどがあり、メキシコから南アメリカの標高1,000m以上の場所に自生する耐寒性の強い、ヤシの仲間になります。

英名では、Chamaedorea elegansと呼ばれ、属名はラテン語で矮小な賜物、種名は優美という意味があります。

日本には、第二次大戦後に室内栽培ヤシとして導入されました。

幹は単一で高さ1~1.5m、径1cm、幹肌に環状の葉痕が2cm間隔にあります。

葉は半光沢の暗緑色、披針形で羽状葉、長さは40cm程度になります。

雌雄異株で、単性花をつけます。

自生地では、やや暗めな密林に育つため耐陰性があり、逆に直射日光に当たると葉焼けしてしまいます。

ヤシといえば大きくなると思われると思いますが、テーブルヤシはその名の示す通り2mを超えることのないテーブルの上に置けるコンパクトなサイズの植物になります。

和名では「パーラーヤシ」とも呼ばれています。

居間のことを英語でParlor room(パーラールーム)というため、居間でも育てられるヤシという意味でそう呼ばれるようになりました。

 

 

 

 

テーブルヤシの土について

テーブルヤシは高温多湿を好みますが、水はけの悪い土を使用すると根腐れを起こす原因になります。

そのため、水はけのよい土に植え付けるようにします。

市販の観葉植物の土を使用するか、自作する場合には市販の観葉植物の土2、赤玉土1、鹿沼土1の割合で混ぜたものを使用しても構いません。

腐葉土やパーライトなどを加えても健康的に育てることができます。

それぞれの土については、こちらで詳しく紹介していますので参考にしてみてください。

また、テーブルヤシは室内で育てられることが多いため、ハイドロカルチャーで育てることもできます。

部屋を汚したくない人などには、土よりハイドロカルチャーや、カラーサンドなどを使用してもいいでしょう。

土からハイドロカルチャーに植え替える場合

土に植えられているテーブルヤシをハイドロカルチャーに植え替える場合には、まず植え替えの際に付着している土を完全に取り除くようにします。

多少根が取れてしまっても大丈夫なので、水を使用するなどして土を取り除いてやりましょう。

土に植える場合には鉢底に水抜きの穴がありますが、ハイドロカルチャーの場合には容器には穴は開いていないものを選ぶようにします。

ハイドロカルチャーに植え付ける際には、まず根腐れ防止のためミリオンAを底に敷き詰めるようにします。

ミリオンAは、珪酸塩白土という成分の天然の土になります。

根腐れ防止の他、水の活性化、ミネラル補給、光合成促進など様々な効果もあります。

その後、ハイドロボールを入れた容器にテーブルヤシを植え付けるようにします。

水は、容器の1/5程度入れておくようにしましょう。

土植えからハイドロカルチャーに植え替えた際には、根が傷んでいることが多いので、葉水を行うなどしてやるようにしましょう。

 

 

 

テーブルヤシの肥料について

春から秋の成長期には、2ヶ月に1回程度を目安に緩効性肥料を与えるか、10日に1回程度を目安に液肥を与えるようにします。

冬場は生長が緩慢になるので、肥料を与える必要はありません。

室内で育てることの多いテーブルヤシは、肥料を与えると大きくなりやすいのでコンパクトなまま楽しみたい場合には肥料は控えめにするようにするといいでしょう。

 

ハイドロカルチャーの際の肥料について

ハイドロカルチャーでテーブルヤシを生長させるには、肥料で栄養を補給してやる必要があります。

ただし、ハイドロカルチャーで育てる際に直接根に肥料があたってしまうと、根を傷める原因になってしまいます。

土植えの時と同様の肥料では濃すぎるので、ハイドロカルチャー用の希釈倍率の表記がある液体肥料を使用するようにしましょう。

肥料を与えるのは、春から秋の成長期に与えるようにします。

水を与える2回に1回程度、水やりの代わりに与えるようにします。

 

 

テーブルヤシの植え付け、植え替えについて

テーブルヤシの植え付けの適期は、4~6月頃の暖かい季節に行うようにします。

苗の選び方についてはこちら、苗の植え付けについてはこちらの記事も参考にしてみてください。

植え替えは、2~3年に1回を目安に、4~6月頃に行うようにしましょう。

植え替える際には、こちらの記事も参考にしてみてください。

 

 

 

 

テーブルヤシの剪定について

テーブルヤシは、一度切ってしまった茎から新しい葉が生えてくることはありません。

切り落とすとそのまま茎は枯れてしまいますので、剪定は行わないようにしましょう。

サイズを調整した場合には、植え替えの時に株分けをしてボリュームを減らすようにするとよいでしょう。

 

 

 

テーブルヤシの日当たりについて

南国に育つイメージのあるテーブルヤシですが、適した場所は半日陰の直射日光の当たらない場所になります。

直射日光に当ててしまうと、葉が葉焼けを起こしてしまうので注意しましょう。

 

 

 

テーブルヤシの水やりについて

テーブルヤシは湿度の高い環境を好みますので、成長期の4~10月頃は土の表面が乾燥したら鉢底から流れ出る程度たっぷりと水やりを行うようにします。

生長が緩慢になる11~3月は、乾燥気味に管理するようにします。

土の表面が乾燥して2~3日経ってから水やりを行うようにするとよいでしょう。

 

 

 

テーブルヤシの株分けについて

テーブルヤシは、株分けをして増やすことができます。

植え替える際に、大きくなった株を分けて株分けを行うようにします。

株のボリュームを押さえたい場合には、剪定してしまうと新しい葉が生えない性質がありますので、株分けで対処するようにします。

 

 

 

テーブルヤシの温度について

直射日光を嫌い、半日陰の環境を好みますが、暑さや寒さには強いのでビギナーさんにも育てやすい植物です。

冬場は0~5℃を下回ると葉が色あせたり、枯れたりすることがありますので室内で管理するようにしてやりましょう。

室内で管理する場合には、暖房などで乾燥し過ぎないよう葉水を行うなどしてやりましょう。

株が色あせるなどした場合、回復するまで時間がかかる傾向がありますので注意が必要です。

 

 

 

テーブルヤシの病害虫について

空気が乾燥している環境では、ハダニやカイガラムシが付きやすくなります。

いずれも葉や茎から栄養を吸汁するので、見つけ次第早めに駆除するようにしましょう。

ハダニは薬剤を散布し駆除することができます。

カイガラムシは、古い歯ブラシなどを使用してこすり落とすようにするとよいでしょう。

 

 

 

南国の雰囲気を持つテーブルヤシ。

生長もゆっくりで、度々植え替えたり、置き場所を変えなくてもいい簡単なところがビギナーさんにもおすすめの観葉植物です。

土で育てることもできますが、ハイドロカルチャーやカラーサンドを利用しておしゃれに室内で楽しむこともできるので、あなたもテーブルヤシを育ててガーデニングを楽しんでみませんか?

 

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