和の雰囲気を演出できる、福を呼ぶと贈り物にされることもある観音竹
観音竹は、中国南部から東南アジアに分布するヤシ科の常緑低木になります。
高さは1~2m、直径2cm程で、雌雄異株、幹はシュロ類と同様に古い繊維質の葉鞘に包まれ、分枝しません。
葉は長い柄があり、茎の上部にのみつき、掌状に4~8片に深裂します。
初夏に、小形の淡黄色花を円錐状にまばらにつけます。
別名、「シュロチク」「カンノンザサ」とも呼ばれています。
福を呼ぶ縁起のよい観葉植物として、お祝い事などの贈り物にされることもあります。
300年ほど前に中国から沖縄に伝わり、庭木として栽培されていました。
朱里観音堂で古くから育てられたことから、観音竹と呼ばれるようになり、薩摩を経て日本全国に広まったそうです。
江戸時代から鑑賞用に栽培され、飾り鉢や盆栽などに仕立てられ和の雰囲気が感じられる姿が人気の植物です。
観音竹の土について
水はけがよく栄養に富んだ土を好みます。
市販の培養土でも大丈夫ですが、自作する場合には赤玉土6、腐葉土3、軽石小粒1の割合で混ぜたものを使用します。
それぞれの土については、こちらで詳しく紹介していますので参考にしてみてください。
観音竹の肥料について
春から秋にかけて、緩効性肥料を与えるか、2週間1回程度を目安に液肥を与えるようにします。
観音竹の植え付け、植え替えについて
観音竹の植え付けの適期は、春になります。
植え付けの際には、元肥として緩効性肥料を混ぜ込んでやるようにします。
苗を植え付ける際には、こちらやこちらも参考にしてみてください。
また、植え替えは2年1回程度、鉢底から根が見えるようになったら行うようにします。
植え替えの適期も、春になります。
観音竹の日当たりについて
明るい日陰を好み、直射日光に当てると葉が焼けてしまい、葉に黒い斑点が出てしまいます。
耐陰性があり、室内で育てることもできますが、乾燥に弱いためクーラーや暖房の風が当たらない場所で管理するようにします。
乾燥すると葉が枯れこんでしまいます。葉先が枯れてきた場合には、はさみなどで葉先だけ切り取ってやるようにするとよいでしょう。
観音竹の水やりについて
土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出る程度たっぷりと水やりを行うようにします。
夏は水切れが起きやすい為、土が乾ききる前に与えるようにします。
冬場は生長が緩やかになるので、乾燥気味に管理するようにしましょう。
また乾燥に弱い為、年間を通して、霧吹きで葉水を行うようにしましょう。
観音竹の株分けについて
観音竹は、株分けによって増やすことが出来ます。
株分は、5~8月頃が適期となります。
地面から子株が出て増えますので、植え替えの際に親株から切り取り株分けを行います。
株分けする際には、細かく分けず2~3株つけて分けるか、1株のものは葉が7枚以上ある大きなものを分けるようにします。
小さなものを分けると生育がよくありません。
観音竹の温度について
春から秋の生育期には、明るい日陰で管理し、たまには戸外で風に当ててやるようにします。
秋の最低気温が15℃を下回るようになったら室内へ取り込むようにします。
冬は明るいところからレースのカーテン越しの日光に当てて管理するようにします。
耐寒性は強く、最低気温3℃以上で管理しますが、斑入りの品種はやや寒さに弱い為5℃以上で管理するようにしましょう。
乾燥に弱いため、クーラーや暖房の風が直接当たる場所では管理しないようにしましょう。
観音竹の病害虫について
過湿に弱いのですが乾燥にも弱い為、水切れを起こすと葉先が枯れてしまいます。
葉水を行うなどして、乾燥を予防するようにしましょう。
気温が上がってくると、ハダニが発生し葉が白くかすれたように見えることがあります。
見つけ次第、薬剤を散布するなどして防除するようにします。
日当たりと風通しが悪い環境では、カイガラムシが発生することがあります。
対策としては、戸外で日光に当ててやるようにすると予防になります。
カイガラムシは薬剤は効きにくいためみつけた場合にはこまめに、古い歯ブラシなどでこすり落とすようにし、葉水を行うと予防になります。
玄関や室内に飾られ、和や洋、どちらの雰囲気にも溶け込み素敵な空間を演出してくれる観音竹。
愛好家もおり人気の植物ですが、ビギナーさんでも比較的育てやすい植物です。
あなたも、観音竹を育ててガーデニングを楽しんでみませんか?
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