ビギナーさんにも育てやすいカポック(シェフレラ)
実は掌状の葉形がパンヤ科のカポック(パンヤノキ)に似ているため、カポックと呼ばれて流通していることが多いのですが、一般に観葉植物として流通しているものは「ヤドカリノキ」を指します。
カポックは、ウコギ科シェフレラ属に属する常緑性高木植物です。
自生の場合には、樹高が3~10mまで生長します。
品種は600種ほどありますが、身近にみられるのは150種ほどです。
学名であるschefflera arboricora(シェフレラアルボリコラ)は、19世紀ドイツの植物学者j.c.scheffler(シェフラー)の名と、「樹木に生じる」つまり他の植物に着生するという意味のラテン語arboricoraの通り、カポック(シェフレラ)の一種が別のウコギ科の植物であるフカノキに着生していることから名づけられたようです。
品種としては、小葉が幅広く葉先が丸い「ホンコン」がよく知られ、黄斑の入る「フイリホンコン」なども販売されています。
カポックは親しみやすい美しさと、頑丈さ、育てやすさなどから人気の観葉植物です。
カポックは耐寒性、耐陰性もあり丈夫ですので、カーテン越しの日光の入る室内でも、屋外で越冬させる育て方もできます。
どんなテイストの室内にも溶け込む姿から、室内を彩るインテリアグリーンとしてもとても人気の高い植物です。
カポックの土について
水はけのよい土を好みます。
カポックは水を好むのですが、水はけの悪い土を使用すると根腐れを起こす可能性があります。
市販の培養土でも大丈夫ですが、自作する場合には観葉植物の土2、赤玉土1、鹿沼土1の割合で混ぜても構いません。
また、土の表面を赤玉土や鹿沼土など無機質の用土で覆うことでコバエの発生などを防止することができます。
それぞれの土については、こちらで詳しく紹介していますので参考にしてみてください。
カポックの肥料について
カポックは基本的にはあまり肥料を必要とはしませんが、与えた方が生長がはやくなります。
肥料を与える場合には、冬場の生長が緩慢になる時期に与えてしまうと肥料焼けを起こす可能性があるので、春から秋の盛んに枝を伸ばす生長期に与えるようにしましょう。
与える場合には、液体肥料を10日に1回程度の頻度、もしくは2か月に1回程度の頻度で生え際から少し離れた場所に固形の緩効性肥料を与えるようにします。
カポックの植え替えについて
カポックは生長がはやく、すぐに根詰まりを起こしてしまうので1~2年に1回程度植え替えをしてやる必要があります。
植え替えをする際には、一回り大きな鉢に植え替えるようにします。
カポックの日当たりについて
カポックはとても丈夫な植物で、これといって苦手な環境はないといってもよいのですが、本来は日当たりがよく風通しのよい場所を好みます。
戸外で育てることも、室内で育てることもできますが、室内の場合は大きな窓のそばやリビングなど、明るい場所に飾るのがベストです。
極端に日光の当たらない暗い場所では、枝が弱々しく徒長し、葉が枯れ落ちてしまう場合もあります。
カポックは順応性の高い植物ですが、一気に環境が変わった場合などに弱ってしまうことがあります。
置き場所を変えたときなどに、葉が落ちてしまうこともあります。
場所を変える際には、徐々に環境に慣れさせるようにしましょう。
カポックの水やりについて
カポックの生育期である4月~10月には、土の表面が乾いたら、たっぷりと鉢底から流れ出る程度水やりを行うようにします。
生長が緩やかになる11月~3月には、水やりを控え土が乾いて2~3日たってから水を与えるくらいで構いません。
乾燥が気になるときには、葉に霧吹きを掛ける「葉水」をするとよいでしょう。
カポックの花の処理について
カポックを上手に育てていると、まれに花が咲くことがあります。
黄味帯びた小さな金平糖のような花が咲きますが、放っておくと花の部分が伸びて株の栄養を吸い取ってしまいます。
株を元気に保ために、花芽は根元から切ってやるようにしましょう。
カポックの切り戻しについて
カポックはよく生長しますので、ある程度大きくなってきたら植え替えるか、切り戻しを行って形を整えるようにしましょう。
鉢のサイズを大きくしたくない時には、伸びた根を切ることで生育が落ち着きます。
切り戻しは、伸びた茎や葉を落とし、新芽をださせる方法です。
カポックは丈夫な植物ですので、乱れが目立つ茎などは葉ごと根本から切ってしまっても大丈夫です。
カポックのような丈夫な植物は、好みに合わせて美しい形に仕立てることも可能です。
盆栽と同じように、テーブルサイズで楽しみたい場合には、茎を長めに残して育てるのがおすすめです。
また、ある程度矯正した形にしたい場合には、太めの支柱に誘引して流れを整えてやるようにするとよいでしょう。
カポックの増やし方について
切り戻しの際などにでた枝を利用して、挿し木や茎伏せでカポックを増やすことができます。
挿し木にするには、枝を10cm程度の長さに切り、湿った赤玉土などに深さ5cm程度まで挿しておきます。
土を乾燥させないように管理し、1か月程度で発根が確認できたら鉢上げします。
葉を残さず切り戻しを行った場合には、茎伏せを行ってもよいでしょう。
斜めに切った茎を土の上に並べるだけの簡単な方法で、土についている部分から根がはり、新芽がでてきます。
カポックの温度について
寒さに強いカポックですが、氷点下の気温や霜に当ててしまうと痛んでしまうことがあります。
戸外で管理する場合、気温が40℃以上になる環境では日陰で管理するようにします。
30~50%程度遮光してやると、葉焼けを防止することができます。
カポックの病害虫について
気温が上がり暖かくなってくると、葉や新芽にアブラムシやハダニ、カイガラムシがつく場合があります。
見つけ次第なるべく早く駆除するようにしましょう。
アブラムシ、ハダニは水が苦手ですので葉水をして予防し、それでも駆除が難しい場合には薬剤を散布して駆除するようにします。
カイガラムシは、体の表面が殻で覆われ薬剤が効きにくいため、見つけたらブラシなどで直接こすり落とすようにするとよいでしょう。
とても育てやすく丈夫なカポックは、ガーデニング初心者でも簡単に育てることができ、お部屋のインテリアグリーンとしてもおすすめの観葉植物です。
あなたもカポックを育てて、緑ある生活を楽しんでみませんか?
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