幹の途中から気根を出し、独特の姿をしたガジュマル
熱帯、亜熱帯地方、日本では沖縄で広く分布している、常緑高木のガジュマル。
ガジュマルの名前の由来は、「絡まる」という音が訛ってという説や、「風を守る」から「ガジュマル」になったという説もあります。
その太い幹と、まるく厚みのある濃い緑色の葉や、幹の途中から「気根」と呼ばれる独特の根を出しています。
気根が風に揺れる様子は不思議な雰囲気を醸し出しています。
これは空気中にある窒素などの栄養素を効率的に吸収するためと、土の中だけでなく空気中でも水分を吸ったり出したりするためです。
また気根が地中につくと太くなり、ガジュマルの木を支える支柱根となります。
ガジュマルの気根や葉、樹皮には薬効があり、のどの痛みや腫れ、神経痛や関節痛に効くといわれています。
またガジュマルは、沖縄では「キジムナー」という赤い髪の子供の精霊が棲んでいて仲よくすれば家が栄えるとも、幸せをもたらす木ともいわれる一方で、「絞め殺しの木」とも呼ばれています。
それは、ガジュマルが他の植物や岩に巻き付きながら生長し、巻き付かれた植物はやがて枯れはてることに由来しています。
ガジュマルはとても生命力強い植物で、その根はコンクリートを突き破るほどですので、基本的にビギナーさんにも育てやすい観葉植物です。
ガジュマルの土について
ガジュマルは高温多湿を好みますが、水はけの悪い土を使うと根腐れを起こす可能性がありますので、水はけのよい土に植えるようにします。
市販の観葉植物の土、もしくは自作する場合には、観葉植物用の土2、赤玉土1、鹿沼土1の割合で混ぜるようにします。
それぞれの土については、こちらでも紹介していますので参考にしてみてください。
また、インテリアとして人気のあるハイドロカルチャーで育てることもできます。
ハイドロカルチャーで育てる場合には、液肥が必須となりますので忘れないように与えましょう。
ガジュマルの肥料について
ガジュマルは肥料なしでも育ちますが、生育期には肥料を与えた方がより大きくすることができます。
肥料がないからといって、枯れることは滅多にはありません。
むしろ、肥料の与えすぎは枝や葉が伸びすぎてしまったり、根腐れを起こしてしまう場合がありますので注意が必要です。
ハイドロカルチャーで育てている場合には、液肥を与えるようにします。
また、冬に肥料を与えると根を傷めてしまうことがありますので、寒い時期には肥料は与えないようにします。
ガジュマルの苗について
ガジュマルを買う際には、病害虫のついていない、葉が大きく健康的で幹の形のよいものを選ぶようにします。
ガジュマルの植え付けは5~7月の暖かい時期に行うようにします。
6月以降に植え付ける際には、猛暑日は避けるようにしましょう。
ガジュマルの剪定、切り戻しについて
ガジュマルの剪定時期は、5~7月頃が最適です。
植え替え時期ではなくても、夏の生長期にあわせて4~6月の間に剪定するようにします。
剪定をしないと、葉に日光が当たらなくなったり、水や養分が樹や葉に行き渡らなくなってしまう場合があります。
切り戻しは5月頃に行うとよいでしょう。
ガジュマルは生命力が強く、勢いよく伸びる枝はバランスを崩しますので根元から切ってしまいます。
とても丈夫なガジュマルは刈り込むように切り戻しても大丈夫です。
1週間ほどで新芽が出てきますよ。
ガジュマルの植え替えについて
ガジュマルは1~2年に1回程度を目安に、5~6月頃植え替えを行うようにします。
植え替えないでいると、根詰まりを起こしてしまいます。
ガジュマルの日当たりについて
日光を好みますが、気温があまり高くなった場合には、遮光するか日陰で管理するようにしましょう。
強い光に当たると、葉焼けを起こす可能性があります。
暖かい地域原産の植物ですので、冬場は暖かい室内か温室で管理し、窓辺などで日光に当てるようにしましょう。
ガジュマルの水やりについて
ガジュマルは高温多湿を好みますが、過湿な環境では根腐れを起こしてしまいます。
土の表面が乾燥したら、鉢底から流れ出る程度たっぷりと水やりを行うようにします。
冬場は生長が緩慢になりますので、土の表面が乾燥してから2~3日後に水やりを行うように注意します。
ガジュマルの挿し木について
ガジュマルは、剪定した枝などを利用して挿し木で増やすことができます。
挿し木にする際には、元気な枝を選ぶようにします。
切り口から出る乳白色の樹液はよく洗い、2~3節程度で葉を2~3枚残して下葉は取り除き、挿し芽の土などに挿し、半日陰で管理するようにします。
約3ヶ月程度で根が張ってきます。
よく観葉植物コーナーなどで販売されているガジュマルの膨らみのある丸みのある気根は、種まきや接ぎ木によって栽培されたものになります。
ガジュマルの花について
ガジュマルは花を咲かせない植物と思われていることが多いのですが、実は花を咲かせます。
ただ、ガジュマルは春になると1cmほどの小さな実をつけるのですが、その実の中に花を咲かせるので外から花が見えないだけなのです。
その実を花嚢と呼び、この花嚢は鳥などに食べられることによりその種を遠くへ飛ばしています。
ガジュマルの温度について
ガジュマルは基本的には高温多湿を好みますので、冬場の気温が低い時期には暖かい室内、もしくは温室などで管理するようにします。
5℃を下回る気温では、葉が落ちてしまいます。
夏場も、強い日差しでは葉焼けを起こすことがありますので、遮光するなどし、風通しのよい環境で過湿に気を付けて管理するようにします。
ガジュマルの病害虫について
とても丈夫な植物ですのでほとんど病気にはなりませんが、、まれにカイガラムシが発生することがあります。
風通しのよい環境で管理し、気づいたらすぐに薬剤を散布して駆除するか、少量の場合には歯ブラシなどでこすり落とすようにします。
また葉水をすることで、乾燥とハダニやアブラムシなどの害虫を予防することができます。
「多幸の木」「幸せを呼ぶ木」とも呼ばれる、個性的な姿をしたガジュマルを、あなたも育ててガーデニングを楽しんでみませんか?
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