ちょっと水やりに注意が必要な、トロピカルな雰囲気を楽しめるネオレゲリアの育て方

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トロピカルな雰囲気を楽しめる、ネオレゲリア

ネオレゲリアは、ブラジルを中心とした南アメリカの熱帯・亜熱帯地域原産のブロメリア科ネオレゲリア属の総称になります。

ロゼット状に広がる葉の基部は、水を溜められる筒状になっており、葉は硬く縁には小さなトゲがあり、岩や木、地面などから生える着生植物の仲間になります。

他の植物と違い水やりの際には、この水が溜められる葉の基部に与えるようにし、常に水が溜まった状態にするという注意点があります。

ネオゲレリアは熱帯植物らしい鮮やかな葉色や、模様があるのが特徴です。

一見、この葉の広がり方が花のようにも見えますが、実際には筒の中心部に小さな花を咲かせ、開花が近づくと株の中心部の葉が赤くなるという性質があります。

主な開花時期は、春から初夏になり、株の中心部に剣山のような短い花芽を出し、紫や白などの花を咲かせます。

自生地では樹木に固着する着生植物で、原種では約100種類、園芸品種では4,000種類以上あるといわれています。

黄白色の縦斑が入る「カロナリエ」や葉先がピンク色の「スペクタビリス」、園芸品種の「ファイヤーボール」などが普及しています。

パイナップル科の植物は学名Bromeliaceaeからブロメリアと呼んだり、園芸上アナナスと呼ばれたりしています。

また、熱帯植物としてなじみのあるチランジアやグズマニア、ディッキアのように葉の基部に水を溜めるタイプは「タンクブロメリア」とも呼ばれています。

 

 

ネオレゲリアの土について

着生植物になりますので、水ゴケやバークチップ、軽石などを使って素焼きの鉢に植えこむと良いでしょう。

水はけがよいほど、締まった株になりやすくなります。

 

 

 

ネオレゲリアの肥料について

基本的に肥料はなくても大丈夫ですが、与えた方が生長は早くなります。

冬場の生長が緩慢になる時期には、肥料焼けをする可能性がありますので肥料を与えないようにします。

与える場合には、春から秋の成長期に与えるようにしましょう。

肥料を与える際には、10日に1回程度を目安に液体肥料を与えるか、緩効性の置き肥を与えるようにします。

 

 

ネオゲレリアの植えつけ、植え替えについて

病気に罹っていない元気な苗を購入し(苗の選び方についてはこちら、苗の植え付け時の注意点についてはこちら)、4~7月の暖かい時期に植え付けを行うようにします。

植え替えは、1~2年に1回程度を目安に、一回り大きな鉢に植え替えるようにします。

植え替えの際には、水はけのよい土を使用するようにします。

植え替えの適期も、植え付けと同じ4~7月となります。

 

 

 

ネオゲレリアの日当たりについて

日光を好みますので、日当たりがよく風通しのよい環境で管理するようにします。

屋内で管理する場合には、日光不足により徒長しやすくなりますので、なるべく日光の当たる場所に置くようにしましょう。

日光に当たることで、葉色が鮮やかになり花が咲きやすくなります。

日光の加減によって葉色が変わるので、好みの葉色になるように調節することができます。

ただし、夏の直射日光は葉焼けの原因になりますので、真夏は遮光してやるようにしましょう。

 

 

 

ネオゲレリアの水やりについて

着生植物であるネオゲレリアは、着生するために支持根という根を持っていますが、根からの水分や養分を吸収するのはあまり得意ではありません。

水分や養分は、葉から主に吸収する形になっています。

そのため、水やりは水を溜められるように筒状になった葉の基部に与えるようにし、常に基部に水が溜まっているようにします。

夏は週に1~2回程度、春と秋は2週間に1回程度、溜まった水が入れ替わるように水やりを行います。

そして、用土は逆に乾燥気味に管理してやるように注意しましょう。

また、寒さに弱いネオゲレリアは冬場は基部に水を溜めず、暖かい日中に霧吹きなどで葉水をしてやるようにするとよいでしょう。

また、空気中が過湿気味な環境を好みますので、冬場の空気が乾燥している時にも葉水を与えることは有効です。

 

 

 

 

ネオゲレリアの花について

ネオゲレリアは、株の中央にある葉が赤く色づくと、剣山状の花が筒状の葉の内側に咲かせます。

咲いた花は、筒状部の上までは伸びずこじんまりと小さく咲きます。

開花すると長期に渡って花を咲かせてくれますが、一度花が咲いた株は二度と開花しないという性質を持っていますので、何度も花を咲かせたい場合には株分けなどを行うようにしましょう。

またネオゲレリアは、原産地で鮮やかな色をした有毒のヤドクガエルが葉や花の内側に散乱産卵するそうです。

 

 

 

ネオゲレリアの株分けについて

ネオゲレリアを増やすには、種まきではなく子株を切り取り増やす株分けで増やすのが一般的な方法です。

初夏の5~9月上旬の暖かい時期が適期になります。

子株が小さいうちに親株から切り離してしまうと、あまり生長が芳しくありませんので最低でも、子株の葉が5~6枚程度開いてから株分けを行うようにしましょう。

根はなくても構いませんが、切り取る際には基部の硬い部分を必ずつけた状態で、親株から離れた部分から切り取るようにします。

親株に近い部分で切り離してしまうと、活着しない場合があります。

株分けしたあとは、水ゴケで活着させて増やしていきます。

 

 

 

 

ネオゲレリアの温度について

ネオゲレリアは、熱帯性の植物になりますので年間を通して日光のよく当たる、高温多湿な場所を好みます。

理想は年間を通じて20~30℃の温度が保たれる適度に湿度のある場所になりますが、熱帯植物にしては耐寒温度は5℃と強い部類となります。

冬場も暖地では戸外で管理することもできる可能性がありますが、できれば暖かい室内で管理することをおすすめします。

夏場の最高気温が40℃を超える場合には、扇風機やサーキュレーターなどを利用して風を当ててやるか、日陰で管理するようにします。

ただし、長い時間日陰に置いておくと徒長する可能性が高くなりますので、午前中の涼しい時間帯などは日光に当てるなどしてやるようにしましょう。

 

 

 

ネオゲレリアの病害虫について

ハダニやカイガラムシが発生する場合があります。

どちらも葉から養分を吸汁し、変色させてしまいます。

害虫は見つけ次第、カイガラムシは古い歯ブラシなどを利用してこすり落とすか、ハダニは薬剤を散布するなどして防除するようにしましょう。

 

 

 

トロピカルで赤いロゼット状の花を咲かせる、独特の雰囲気を楽しめる着生植物、ネオレゲリア。

あなたもネオレゲリアを育てて、ガーデニングを楽しんでみませんか?

 

 

 

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