ドライフラワーでも人気、ビギナーさんでも育てやすい、花かんざしの育て方

春夏見頃の花

ドライフラワーのようなカサカサとした手触りの、花かんざし

ドライフラワーのようなカサカサとした手触りで、丸くふんわりした小さな花が次々と開花します。

小さな花が冬の風にふわふわと軽やかに揺れる姿から「冬の妖精」とも呼ばれています。

花は各枝に1輪ずつですが、よく枝分かれするので5月頃まで次々と咲き続けてくれます。

花色は白で、花径は2cm程度で夜には花を閉じてしまいます。

「花かんざし」は流通名で、学名はローダンテ・アンテモイデスRhodanthe anthemoides種の多年草で、花色は白、草丈15~25cmとなります。

つぼみが簪に似ていることから「花かんざし」と呼ばれるようになりました。

英名ではPaper daisyと呼ばれ、花に触れるとカサカサと音がする質感からつけられたようです。

かつては、ヘリクリサムやヘリプテルムの一種とされたこともありますが、現在はローダンテ属に分類されています。

紛らわしいのですが、和名で「ハナカンザシ」と呼ばれる植物は「花かんざし」とは別種で、切り花でよく利用されるクロロセファラ種です。

また和名の「ヒロハノハナカンザシ」という植物もあり、そちらは一般に「ローダンセ」と呼ばれるマングレシー種となります。

同じキク科のヘリプレルム属のペーパーカスケードとよく似ていますが、こちらは茎が少し長く伸び、花弁が少し尖っているという特徴で見分けます。

 

 

 

花かんざしの土について

水はけのよい土を好みます。

市販の山野草向けの土などを利用すると簡単で便利です。

 

 

花かんざしの肥料について

あまり肥料を必要としない植物ですので、植え付けの際に元肥として、緩効性肥料を混ぜ込んでおけば後は追肥の必要はありません。

 

 

 

花かんざしの苗について

花かんざしの開花期間は3月から5月ですが、最近は苗が12月頃から流通するようになりました。

苗を選ぶ際には、株元が蒸れていない、つぼみが沢山ついている苗を選ぶようにしましょう。

また苗の選び方についてはこちら、苗の植え付け方についてはこちらで紹介していますので参考にしてみてください。

 

 

 

花かんざしの種まきについて

種まきの適温は、20~25℃といわれています。

花かんざしの種をまく場合には、霜が降りない暖かい地域では、9~10月頃に行うようにすると冬越しして春に花を咲かせてくれます。

冬に霜が降りるような寒い地域では、3月頃に種まきを行うとよいでしょう。

霜よけさえできるのであれば、寒い地域でも秋に種まきをしても構いません。

 

 

 

花かんざしの日当たりについて

日当たりがよく、風通しのよい乾燥した場所を好みます。

夏場の高温は苦手ですので、蒸れないよう風通しのよい半日陰で管理するようにします。

 

 

 

 

花かんざしの水やりについて

花かんざしは、高温多湿を大の苦手とします。

逆に乾燥にはとても強いので、土の表面が乾いてから鉢底から流れ出る程度たっぷりと水やりを行うようにします。

水やりの際に、花に水がかからないように注意しましょう。

花に水がかかってしまうと、花が変色して黒くなり枯れてしまう場合もあります。

耐暑性が弱く、夏には半休眠状態になりますので、その時期に多湿の状態が続くと株が根腐れしてしまうので注意するようにします。

 

 

 

花かんざしの花がら摘みについて

花は長持ちしますが、咲き終わった花は順次切り取るようにしましょう。

早めに切り、ドライフラワーとして利用するのもおすすめです。

 

 

 

花かんざしの剪定、切り戻しについて

蒸れに弱いので、茎葉が込み合わないよう様子を見ながら、古い枝を切ってやるようにします。

株元から新芽が出てくるので古い枝は取り除くようにし、新しい枝に更新するようにすると株が長持ちしてくれます。

花かんざしは蒸れと湿気に弱いので、梅雨前までの1年草として扱われるのが一般的です。

しかし、乾燥気味の土にしっかりと根付かせて、株を切り戻してすっきりとした姿で管理すれば、夏越しの可能性が高まります。

 

 

 

花かんざしの挿し芽について

花かんざしの増やし方は、種まきが主流ですが、挿し芽でも増やすことができます。

挿し芽の適期は、3~5月頃となります。

大きな株や古い株ほど、枯れるリスクが高くなりますので、挿し芽で小さな苗を作り株を更新するようにするのもよいでしょう。

秋口に涼しくなってきたら、植え付けや植え替えで更に育てていくことができます。

 

 

 

 

花かんざしの温度について

高温多湿を苦手としていますので、夏場は風通しのよい明るい日陰で管理するようにしましょう。

寒さには強いのですが、霜にあたると株が枯れるほどではありませんが、傷んでしまうことがあります。

 

 

 

 

花かんざしの病害虫について

高温多湿が苦手ですので、風通しがよく涼しい場所で管理するようにしましょう。

多湿な環境では、灰色カビ病に罹りやすくなります。

枯れた花や葉を放置していると、そこから感染が拡大する場合がありますので、花がらや落葉はこまめに取り除くようにしましょう。

花や葉にも、水やりの際に水がかからないようにすると予防になります。

アブラムシもよく発生する害虫です。

アブラムシは主に新芽や蕾に群生して、植物の汁を吸い生育を阻害します。

また更にウイルス病を媒介することもありますので、早期発見が肝心で、見つけたらすぐに薬剤などで駆除するようにしましょう。

 

 

 

 

とても可愛らしい、ドライフラワーのような花を咲かせてくれる花かんざし。

多湿が苦手ですので、乾燥気味に育ててやるように注意すると上手に育てることができますよ。

あなたも、花かんざしを育ててガーデニングを楽しんでみませんか?

 

コメント