葉を揉むと甘い香りのするハーブ、チェリーセイジの育て方

春夏見頃の花

葉からサクランボのような甘い香りがするハーブ、チェリーセイジ

チェリーセージは、アメリカ南部からメキシコにかけて分布するシソ科アキギリ(サルビア)属の半常緑性低木です。

チェリーセージという名は、英名がそのまま流通名になったもので正式な種名ではありません。

名前の由来は、葉を揉むとサクランボのような甘い香りがすることからきています。

また属名でもあるSalvia(サルビア)は、ラテン語のsalvare(治療)、salveo(健康)が語源となっており、薬用ハーブとして親しまれているセージの仲間であることに因んでいます。

学名のmicrophyllaは「小さい葉の」という意味になります。

チェリーセージとして栽培されているのは、主にサルビア・ミクロフィア(Salvia microphylla)とサルビア・グレッギー(Salvia greggii)、そしてその2種の自然交配種であるサルビア・ヤメンシス(Salvia x jamensis)になります。

チェリーセージの花期は5~11月で、花期になると分枝した茎の上部に花序を出し、径2~3cm程度の唇形花(しんけいか)を数輪、穂状に咲かせます。

唇形花(しんけいか)とは、シソ科やゴマノハグサ科の植物の多くにみられる花の形で、筒状になった花の先端が上下に分かれ、唇のような形になったものです。

チェリーセージは一度に咲く花の数が少なく控えめな印象を与えますが、ぽろぽろと長く咲き続けます。

花色は、赤、ピンク、赤白の複色、オレンジ、白などがあります。

葉は卵型で対生し、品種によって表面に皺のあるものとないものがあります。

茎は分枝しながら草丈100cm程度までこんもりと茂ります。

セージ同様強い殺菌作用や消化促進、解熱作用があることからハーブとして利用される他、ナチュラルガーデンやイングリッシュガーデンなどにもよく植えられている人気のハーブです。

 

 

 

チェリーセージの土について

市販の培養土を利用するか、自作する場合には赤玉土7、腐葉土3などの一般的な配合のものを使用するとよいでしょう。

それぞれの土については、こちらで紹介していますので参考にしてみてください。

 

 

 

チェリーセージの肥料について

ハーブでもあるチェリーセージは、多くの肥料を必要とする植物ではありません。

春と秋に緩効性化成肥料を与える程度で十分です。

 

 

 

 

チェリーセージの苗について

チェリーセージの苗は、春ごろから出回り始めます。

ひとくちにチェリーセージといっても、とにかく品種が豊富です。

ポット苗で販売されている時点では、茎は草状なのですが何年も育てていると古い枝は木質化してきます。

品種によって草丈は様々ですが、背が高くなる品種は1m以上にもなりますので、購入する際にはプランツカードをよく確認するなどして選ぶようにしましょう。

 

 

 

チェリーセージの日当たりについて

チェリーセージは日光を好みますので、日当たりがよく風通しのよい場所で管理するようにしてやりましょう。

明るめな半日陰でも栽培は可能ですが、日照不足になると花付きが悪くなってしまいます。

 

 

 

 

チェリーセージの水やりについて

土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出る程度たっぷりと水やりを行ってやるようにします。

 

 

 

 

チェリーセージの花がら摘みについて

チェリーセージは、一茎一花ではなく一本の茎に穂状にいくつもの花が付き、下から上に順に咲いていきます。

穂状の花が上まで咲き終わったら、花の一番下のところで切るようにします。

 

 

チェリーセージの切り戻しについて

初夏から秋まで長く花を咲かせてくれるチェリーセージは、夏前に一度ばっさりと切り戻しを行うようにしておくと、すっきりとした株姿になり秋からまた花を咲かせてくれます。

チェリーセージは品種によっても違いはありますが、何年も管理している古株はとても大株になり枝も込み合ってきます。

2年目以降の枝は木質化し、その都度剪定をせずに育ててしまうと年々上の方で芽吹くので株姿が乱れてきます。

定期的に切り戻しを行いつつ、細い枝は根元でどんどん切って若い枝を出してやるようにしていくと美しい株姿を保つことができます。

 

 

 

チェリーセージの挿し木について

挿し木の適期は、5~7月になります。

茎を10~15cm程度の長さに切り取って挿し穂にします。

株の葉を取り除き、花や蕾がついていればそれも取り除きます。

水揚をした後、湿らせた土に挿し、水を切らさないように日陰で管理すると1~2週間程度で発根します。

芽が動き始めたら鉢上げを行うようにするとよいでしょう。

 

 

 

チェリーセージの温度について

夏の暑さで花が咲きやむことがありますが、夏前に切り戻しを行ってやると秋にはまた花を咲かせてくれます。

耐寒性は品種によってやや異なりますが、最低気温-5~-10℃程度ですので南関東以南であれば戸外での冬越しも可能です。

寒さで地上部は枯れますが、根は生きていますので春になればまた芽吹いてくれます。

 

 

 

チェリーセージの病害虫について

病害虫の発生は、ほとんどありません。

 

 

 

 

暑さ寒さにも強く、控えめな姿ながら長い期間花を咲かせてくれるチェリーセージ。

ハーブとしても利用できるほか、その素朴な花姿からナチュラルガーデンやイングリッシュガーデンなどに人気の植物です。

あなたもチェリーセージを育てて、ガーデニングを楽しんでみませんか?

 

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