上品でゴージャスな花、ユリの育て方について

春夏見頃の花

上品でゴージャスな花、ユリ

世界中に多くの品種があり、世界では100種類以上あるといわれています。

特に日本、中国などではスカシユリ、ヤマユリ、テッポウユリなどを中心に多く自生しています。

多くの原種のユリは、一般的な花の育て方とは違い湿地を好むものなどがあります。

オリエンタルハイブリッド種のユリは、よく整った大輪の香り高い花が優美に咲きます。

ハイブリット系のユリは、原種のユリから園芸用に品種改良されたもので、比較的育てやすくなります。

ハイブリッド系には、コンカドール、紅姿、ベルベデーレ、ビビアナ、セラダ、カサブランカ、モンテネグロなど多くの種類があります。

 

ユリの土について

ユリは種類によって好みの土質が異なります。

テッポウユリ、ロンギフラーム、ハイブリッド系などは、粘土質の土を好みます。

ヤマユリ、オリエンタルハイブリッド系などは、軽めで有機質豊富な土を好みます。

スカシユリ、アジアンティックハイブリッド系などは、水はけがよく砂質な土を好みます。

土を自作する場合は、赤玉土6~7、腐葉土3~4に場合によって川砂を混ぜます。

園芸品種なら市販の培養土や球根の土を利用しても大丈夫ですが、野生種の場合には球根が腐りやすくなってしまうので、鹿沼土や桐生砂などを多めに混ぜるようにするといいでしょう。

土の種類については、こちらで詳しく説明していますので参考にしてみてください。

 

 

ユリの肥料について

球根を植え付ける際に、緩効性肥料を混ぜておきます。

芽が出始めてからは、2週間に1回程度液体肥料を与えるようにします。

 

 

 

ユリの球根を購入する際の選び方について

球根の植え付け適期は10~11月になります。

球根を購入する際は、球皮に光沢があり、りん片の先が針の先のようにとがっている、傷のない大きい球根を選ぶようにしましょう。

球根の選び方、保管方法については、こちらでも紹介していますので参考にしてみてください。

 

 

育てていたユリの球根から増やす方法

りん片挿し

球根のりん片を1片ずつはがし、はがした側を下にして軽く湿らせた、バーミキュライトに挿しておくと、春に基部に小さな球根ができます。

その球根を移植しなおして増やす方法です。

木子で増やす

下茎にできる木子をひとつずつ丁寧にはずし、土に植え付けると三年後には開花球となります。

木子は、大きく茎が出ているものでも利用することができます。

ユリの水耕栽培について

実はユリも球根を選ぶと、水耕栽培で育てることができます。

まず、水の腐敗防止のために、シリコンブロックをあらかじめ入れておきます。

適期は11月頃です。

水ゴケで球根を包み、冷暗所で管理するようにします。

球根の頂部を、そっと手で触れながらなでるか、もしくはやわらかい耳かきの梵天のようなもので撫でてやるようにします。

花が咲くまで、1日に2~3回この行為を続けるようにします。

水は2週間に1回程度を目安に取り換え、4~5日に1回霧吹きで葉水をして、乾燥を防いでやるようにします。

※一般的にユリは水耕栽培では育てません。水耕栽培はできるのですが、球根が腐りやすいので注意して育てるようにしてください。失敗してもいいや、くらいの気持ちで育てみるようにしてください。

 

 

ユリの球根植え替えの方法

庭などに植えたならば、そのまま植えっぱなしでも花が咲きますが、鉢植えの場合は、毎年新しい土に植え替えましょう。

植え替える際には、株を上根の下で切ります。

また枯れた下根は、整理して切り取るようにします。

ただし、生きている下根は切らずに残しておきましょう。

掘り上げた球根をよく洗い、バケツなどにベンレート500倍液を入れて球根を消毒

乾燥させてからすぐに植え付けるようにします。

健康な株は、球根頂部が盛り上がり、りん片の先が針のようにとがっており、球皮はつるつるとして光沢があります。

逆にウイルスなどに感染している球根は、りん片の先がコルク化してもろくなり、先も折れていることが多いです。

また球根頂部は、平らか少し凹み、球皮はつやがなくざらついています。

以上の点を参考に、植え替えの際には健康な球根を植え付けるようにしましょう。

 

 

 

ユリの球根の植え付けについて

春植えで育てるより、秋植えの方が簡単でおすすめです。

鉢植えなら、6~7号鉢に1球が目安です。

球根は、上根を十分に活動させるために、球根の高さの3倍くらいの深さに、球根の直径の3~4倍の間隔で植えます。

球根は乾燥を嫌いますので、購入したらすぐに植え付けるようにしましょう。

高性種や大輪種は茎が長く伸びるので、植え付け後は早めに支柱を立ててやるようにします。

 

 

 

ユリの日当たりについて

スカシユリ、テッポウユリ、オニユリなどは日当たりのよい場所を好みます。

ヤマユリやカノコユリは、半日陰を好みます。

梅雨明け後の強光線や高温は、株を弱らせますので西日の当たらない、明るい日陰で管理するようにします。

 

 

 

ユリの水やりについて

土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出る程度たっぷりと水やりを行います

ただし、冬でも下根は水を欲しがりますので、晴天が続くなどで土が乾いている際には水やりを行います。

鉢植えでは特に、乾かしてしまうと下根が弱ってしまうので、発芽まで土中に埋めて保管するか、ビニール袋などに入れて乾燥を防ぐようにしましょう。

 

 

 

ユリの花がら摘みについて

早咲きのユリの場合、初夏から開花し始めます。

花が咲き終わったら、必ず花がらを摘み取るように注意します。

枯れてしまった花がカビや菌の発生原因になるだけでなく、種を作ろうとして株を弱らせてしまうからです。

花がらは、花首のところから取り除くようにします。

その際、ナイフやハサミでウイルスが感染するのを防ぐために、手で摘み取るようにするとよいでしょう。

 

 

 

 

ユリの温度について

耐寒性は強いのですが、耐暑性はやや弱いので、真夏の強い日差しや西日は避けるようにしましょう。

 

 

 

ユリの病害虫について

夏場に蒸れる環境にあると、アブラムシが発生する場合があります。

葉をこするようにしてつぶしてしまうか、薬剤を利用して防ぐようにします。

ユリの病気で注意したいのは、ウイルス病です。

接触で簡単に感染してしまいます。

症状としては、花に白いカスリ状の条斑が出たり、葉に黄色のモザイク斑が出ます。

他にも、梅雨時の過湿な環境で葉枯病が多発します。

防ぐ方法としては、風通しのよい環境で管理し、発病する前から薬剤を散布して防ぐようにするとよいでしょう。

 

 

とてもゴージャスで美しいユリ、色々な種類がありますので、好みのユリを見つけてあなたも育ててみませんか?

 

コメント