スリット鉢とは
植物の花を良く咲かせ、実を良く実らせる為には、いい根をつくるということが重要です。
鉢植えでは、地植えとは違い限られた容量の土で生育させるので、ただ根を張らせればよいという訳ではありません。
鉢植えの限られた土の中でも、根が効率よく伸びてくれれば、植物は元気に育ってくれます。
その植物の根の伸び方に注目して開発された鉢が、スリット鉢です。
細かい加工がしやすいというプラスチックの特性を生かして、植物の根が健全に伸びるよう設計されています。
植物の根には、体を支えるという役割と、養分を吸収する役割があります。
養分を吸収する根が、植物の花を咲かせ、実を実らせる吸収根です。
この吸収根は、鉢と土の間、根鉢の外へ出るように垂直に伸びていきます。
そのような性質を利用して、吸収根が生育しやすい形状をしたものの一つが、スリット鉢です。
鉢の内部は八角形で、面に溝がつけられており、そのため根が面に沿って伸びてくれます。
根鉢の外側の吸収根がまっすぐに下に伸びてくれると、次に伸びる吸収根も同様にまっすぐ伸びてくれます。
また、スリットの高さの間隔がまばらに設計されていますが、そうすることで根が均等に伸びやすくなります。
スリットの間に中側に出っ張っている仕切り板は、鉢の強度を高めるためと、根が回らないようにする役割があります。
一般的な鉢では、植物を支える根が下へ伸びていき、行き場がなくなると根が回りはじめ、根鉢全体を覆うようになります。
そのような状態になってしまうと、根は鉢内部からは発生しなくなり、鉢底に伸びてまわってしまっている根だけとなり、植物は老化しはじめてしまいます。
しかしスリット鉢では、自然に鉢底まで下りた直根が、回りはじめず自然に止まるようになります。
根が止まると、わき根が出やすくなり、吸収根がより充実するようになります。
スリット鉢で育てられた根からは、わき根が多数でて、株が健康に育ちます。
スリット鉢の鉢底を裏から見てみると、中央付近に向けてすり鉢状に緩やかなカーブが設けられています。
これは、鉢の内部に空気層ができることによって、根が下に回らないようにする役割と、外気温が直接根に伝わらないようにする役割があります。
このような色々な工夫を施された、自然界に近い状態で根を育ててくれるスリット鉢をあなたも利用して、植物を健やかに育ててみませんか?
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