葉がなく枝だけが茂っているように見えるユニークな、ミルクブッシュ
トウダイグサ科ユーフォルビア属の一種である、ミルクブッシュは葉がなく枝だけが茂っているように見えるユニークな姿は、一見作り物のようにも見えます。
茎を切ったり、傷つけるとミルクのような白い樹液を出すことから、ミルクブッシュと呼ばれています。
この樹液には炭化水素が多く含まれており、石油に代わる燃料として利用を検討されたこともあるようです。
トウダイグサ科ユーフォルビア属には、全世界に2,000種が分布しているといわれています。
種によって形状は様々で、葉が未発達で茎がこん棒状や球状に肥大するユニークな姿のものもあります。
このユーフォルビア属でなじみ深いものには、クリスマスシーズンに流通するポインセチアなどがあります。
熱帯アフリカ原産の多肉植物の仲間ですが、観葉植物として扱われていることもしばしばあります。
和名では珊瑚のような見た目から「アオサンゴ」、「ミドリサンゴ」とも呼ばれ、その他にもその姿から「フィンガツリー」、「ペンシルツリー」などとも呼ばれています。
枝は多肉質で、直径5mm前後の棒状で緑色でよく枝分かれして茂りますが、小さな葉がついても早落性ですぐに落ちてしまいます。
丈夫で育てやすいことや、1年を通して青々と茂っていることから、主に鉢植えの観葉植物として楽しまれていますが、本来は6~7mもの高さにまで育ちます。
ミルクブッシュの土について
市販の観葉植物用の用土で大丈夫ですが、なるべく水はけがよくなるようにバーミキュライトを加えるとよりよくなります。
ミルクブッシュの肥料について
ミルクブッシュは、5~10月の間に肥料を与えるようにします。
2ヶ月に1回を目安に固形で肥料効果が長続きするタイプを土の上に置くか、液体肥料を2週間に1回程度を目安に与えるようにするとよいでしょう。
ミルクブッシュの選び方について
緑色の濃いもので茎に変色が見られず、あまり枝が込み合っていないものを選ぶようにするとよいでしょう。
ミルクブッシュの日当たりについて
ミルクブッシュは日光を好みます。
4月~7月頃は直射日光がよく当たる場所、8月~3月はガラスやカーテン越しに日光が当たる室内で管理するようにするといいでしょう。
室内では日差しのよく入るリビングや窓辺が、置き場所としてはおすすめです。
日当たりが悪いと枝が間延びしたり、色が悪くなって折れたり、枯れたりする場合があります。
日当たりにムラがあると、日の当たらない枝は枯れ、当たる枝だけよく育つことがあります。
特に室内で管理する場合には、まんべんなく日が当たるように鉢を回したりしてやるとよいでしょう。
ミルクブッシュの水やりについて
乾燥に強く育てやすい植物ですが、冬場の過湿は苦手ですので注意します。
春から秋にかけての水やりは、土の表面が乾いたら鉢底から流れ出る程度たっぷりと水やりを行うようにします。
冬は、土の表面が乾いてからさらに4~5日後に、同じように水やりを行うとよいでしょう。
ミルクブッシュの花について
ミルクブッシュは、茎の先に黄色の小さな花を咲かせます。
常に暖かい原産地と環境の違う日本では、残念ながらほとんど開花した姿をみることはできません。
日本で育てている限り、ミルクブッシュの花が見られる可能性は低いと思っていた方がよいでしょう。
ミルクブッシュの植え替えについて
1~2年に1回を目安に植え替えを行うようにします。
鉢底穴から根がはみ出していたり、水の浸透や鉢底から水が出てくるまでに時間があるようになったら植え替えのサインです。
ミルクブッシュの挿し木について
ミルクブッシュは挿し木で増やすことができます。
挿し木の適期は、5~8月頃です。
挿し木をする際、ミルクブッシュの茎の切り口から出てくる樹液に触れると、皮膚がかぶれる可能性がありますので、手袋をつけるなど直接樹液に触れないよう注意しましょう。
挿し木については、こちらでも紹介していますので参考にしてみてください。
ミルクブッシュの温度について
乾燥には強いのですが、寒さに弱いので屋外で管理しているものも、冬には室内に取り込んだ方がよいでしょう。
冬越しでは最低5℃以上、できれば7~8℃は保つのが理想です。
15℃以上を保つことができれば、冬場であっても生育は可能となります。
ミルクブッシュの病害虫について
カイガラムシが発生することがあります。
枝にくっつき吸汁するので、枝が傷つかないようにブラシなどでこすり落として駆除しましょう。
過湿が苦手ですので、風通しのよい場所で管理するようにして健康な株に育ててやりましょう。
秋には、葉全体が赤や黄色に色づき、本当に珊瑚のようにも見えるミルクブッシュ。
あなたもこのユニークな姿を持つミルクブッシュを育てて、ガーデニングを楽しんでみませんか?
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