春の訪れを知らせる、春の花スズランの育て方

春夏見頃の花

鈴のような可愛らしい姿とは裏腹に、毒を持つスズラン

白く、どことなくランに似た、鈴のような可愛らしい花姿を持つことから鈴蘭(スズラン)と呼ばれていますが、ランの仲間ではありません。

君影草(きみかげそう)、谷間の姫百合(たにまのひめゆり)などの別名でも呼ばれています。

西洋では5月1日の祭日に、幸福になって欲しい人にスズランを贈る風習があります。

この風習は、1,500年代のフランス、シャルル9世の時代まで遡ります。

シャルル9世が、5月1日に幸福が授けられるといわれているスズランの花束を受け取り、大変喜んだことから、5月1日にスズランの花束を贈るという風習が庶民に広がり今日まで続いているといわれています。

キジカクシ科の宿根草で、可愛らしい姿とは裏腹に毒を持っています。

スズランは、葉や花、根にも毒を含んでおり、体に取り込むと嘔吐や頭痛、めまい、心臓発作などを引き起こし、量によっては死に至る危険があります。

自生しているスズランを野草と間違って食べてしまったり、ペットが間違って食べてしまったりという事故が毎年発生していますので、管理には十分注意しましょう。

活けた花瓶の水にも毒は溶け出していますので、子供やペットの手の届かない場所に置くようにし、花粉にも毒がありますので、食卓などで食べ物についてしまわないよう注意が必要です。

自生するものでは、中部地方より北の涼しい高原によく見ることができます。

スズランには、大きく分けて日本に自生するニホンスズランと、園芸品種として出回っているドイツスズランに分けることができます。

見分け方としては、花の中に赤い点がついているものがドイツスズラン、点がなく真っ白なものが二ホンスズランです。

 

 

 

スズランの土について

スズランは、水はけ、通気性のよい弱酸性の土を好みます。

自作する場合には、赤玉土6、腐葉土3、軽石1の割合で混ぜるようにするとよいでしょう。

それぞれの土については、こちらでも詳しく紹介していますので参考にしてみてください。

市販の培養土も簡単で便利です。

 

 

スズランの肥料について

スズランは、あまり肥料を必要としない植物です。

ですので、肥料を与えるのは花が終わった後1か月のみで大丈夫です。

花が終わったら、花がらを摘み取り、化成肥料を規定量与えてやるようにします。

肥料が少なめの方が、花の香が強くなります。

 

 

 

スズランの苗について

スズランの増やし方としては、種でも増やせますが、種は一般には流通していませんので、苗を購入して植え付けるのが一般的です。

スズランの苗の植え付け適期は、4~5月もしくは10~12月です。

植え付ける際には、毒がありますのでゴム手袋などをつけてから作業をするようにしましょう。

 

 

 

スズランの日当たりについて

スズランは、クリスマスローズなどと同じ、落葉樹の下などの冬は日向、夏は日陰になるような場所で管理するとよいでしょう。

春から開花し、花が終わるまでは日当たりのよい戸外で管理します。

室内での管理は絶対にやめるようにします。

花が終わり、梅雨時期からは強い日差しを遮るような場所、もしくは遮光ネットなどで日陰を作ってやるようにしましょう。

スズランを枯らしてしまう大きな原因の一つに、夏越しの失敗が挙げられます。

スズランは涼しい場所で育つ植物ですので、高温多湿な環境が苦手ですので、苦手な夏を涼しく過ごせる環境を用意してあげましょう。

夏の日差しが和らぐ9月下旬くらいからは、また日に当てて管理するとよいでしょう。

夏場も葉が枯れず、元気に育っているようなら夏越しは成功です。

 

 

 

スズランの水やりについて

スズランは、池の淵などに咲いている宿根草です。

スズランは水が大好きですが、水やりのし過ぎには注意が必要です。

水の与えすぎは、根腐れの原因になってしまいます。

開花時期には、水の吸い上げもよくなるので、比較的乾燥しやすくなります。

土の表面が乾燥したら、鉢底から流れる程度たっぷりと水やりを行うようにします。

真夏の高温な時期には、夜間に水やりを行うようにすると根が傷むのを防ぐことができます。

夏場の水やりは、たっぷりと与えないことがポイントです。

コップ2杯程度の水を、鉢を持ち上げて重さを図るなどして土中の水分を確認しながら、マメに与えるようにするとよいでしょう。

冬場はあまり水を必要としませんので、12月くらいからは10日に1回程度の水やりで十分です。

 

 

スズランの花がら摘みについて

花が終わったら、花がついている茎の根本から切り取るようにします。

葉は、翌年花を咲かせるための栄養を蓄える役割を果たしますので、必ず残しましょう。

秋から冬になると葉が枯れてきますが、根は生きていますので水やりは続けるようにしてください。

 

 

スズランの温度について

スズランは、涼しい高原などが自生地ですので、夏場の高温多湿は苦手です。

涼しい場所で管理するか、きちんと遮光ネットなどを使用して対策をとってやるようにしましょう。

涼しい風通しの良い場所で、コンクリートの上に直置きせず、スノコなどをしいて根が暑くなりすぎないようにしましょう。

 

 

スズランを増やす、株分けについて

スズランの株分けも、植え替えも適期は2~3月中旬です。

植え替えの際には、寒風に根を当てると弱ってしまうので注意するようにしましょう。

植え替えの際の注意点については、こちらでも紹介していますので参考にしてみてください。

スズランは株分けで増やすことができます。

10月~11月に、土から地下茎を掘り起こし、古い土を落とします。

掘り上げた地下茎を、4~5個程度花芽がつくように、清潔なハサミやナイフで切り取ります。

根から出ている突起のうち、大きく膨らんでいるものが花芽、小さく細長いものが葉芽となります。

切り分けた地下茎は、また土に植え付けると翌年花を咲かせてくれます。

 

 

 

スズランの病害虫について

スズランは、高温な環境が苦手ですので、夏場は涼しい場所で管理して夏越しさせましょう。

有毒植物ですので、害虫などの被害はあまりありません。

 

 

 

 

春に可愛らしい白い花を咲かせてくれる、スズラン。

毒があるので取り扱いには、少し注意が必要ですが、暑さに注意して育てればよい香りの花を咲かせてくれます。

あなたも、スズランの花を育ててガーデニングを楽しんでみませんか?

 

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