長く花を咲かせてくれる多肉植物、カランコエ
肉厚な茎と鮮やかな花色で、アフリカ南部原産の実は多肉植物です。
多肉植物ですので、肉厚な葉に水分を溜めることができるので乾燥には強いのですが、寒さと多湿には少し弱い面があります。
カランコエという名前は、「加藍菜」という同属植物の中国名に由来するといわれ、「加藍菜」とは、中国語で「落ちて育つもの」という意味を持ち、その発音に由来してフランスの植物学者ミシェル・アンダーソンが名づけたといわれています。
他にも、赤みがかったつやのある葉になるカランコエの種類に関連して、古代インドの言葉で「赤サビ」(kalanka)と「照り」(chaya)という言葉に由来したのでは、ともいわれています。
また、和名では紅弁慶(ベニベンケイ)という名で呼ばれています。
カランコエは乾燥に強く、茎を土に挿すだけで簡単に増える生命力の強い特徴から、力強く逞しい「紅弁慶」という名がつけられたようです。
花の時期は11月から5月と長く、日本ではほぼ一年中流通しています。
カランコエは「短日性植物」と呼ばれる種類で、夜の時間が長くなったのを感じて花を咲かせるという習性があります。
夏に出回っているものは、人工的に夜が長くなる環境下において花を咲かせる処理をしたものです。
栄養繁殖能力も高く、とても丈夫で育てやすいのでガーデニングビギナーさんにはとてもおすすめの植物です。
カランコエの土について
多肉植物であるカランコエは、過湿を嫌いますので、水はけのよい土を選ぶようにしましょう。
市販の多肉植物用の土を使用するか、自作する場合には赤玉土5、川砂3、ピートモス2の割合で混ぜて使用するとよいでしょう。
それぞれの土については、こちらで紹介していますので参考にしてみてください。
カランコエの肥料について
カランコエは5~10月頃が新しい芽を出す時期ですので、液体肥料を10日に1回のペースで与えるようにして生長を促します。
花が咲き始めたら、肥料を必要ありませんので与えないようにしましょう。
カランコエの日当たりについて
日光を好みますので、日当たりのよい場所で管理するようにしましょう。
日光不足になると下葉が黄色くなってきますので、注意しましょう。
春から秋は戸外の日当たりがよく雨の当たらない場所で、真夏は直射日光を避けた明るい日陰、冬は日当たりのよい暖かい室内で管理するようにするとよいでしょう。
カランコエの花を咲かせるための「短日処理」について
カランコエが花を咲かせるには、光が当たる時間が短るなるという条件を満たさなければなりません。
カランコエは「短日植物」と呼ばれ、日光にあたる時間が12時間以下になると花が咲きます。
秋以降に花を咲かせるのは、日暮れが早くなり暗い時間が長くなり、条件を満たすからです。
もし、室内で育てる場合は、どうしても蛍光灯などの光が当たってしまい暗い環境を作るのが難しくなります。
そのため、花を咲かせたい場合には段ボールなどをすっぽりとかぶせて光を遮るという作業が必要になります。
このような作業を30~40日ほど繰り返せば、室内で栽培していても花を咲かせることが可能です。
カランコエの水やりについて
春から秋のよく生長する時期には、土の表面が乾燥したら鉢底から流れ出る程度たっぷりと水やりを行うようにします。
多肉植物で過湿を嫌うカランコエは、土の表面が白っぽく乾いていることを確認してから水やりを行うという点を守るようにしましょう。
また秋になったら少しずつ水やりを控え、冬は土の表面が乾いてからさらに2~3日たってから水やりをするようにします。
とにかく、乾燥気味に育てる方が元気に育てることができますよ。
カランコエの摘心について
カランコエは、花を咲かせるために夏ごろ「摘心」という作業を行うようにします。
この作業は、生えてきた新しい芽を摘む作業のことです。
植物には先に出た芽に集中して栄養を送りこむという性質がありますが、新しく出た芽を摘心することで、栄養が他の部分にも行き渡り、結果的に脇芽が増えてまんべんなく芽を生長させることができますので、ぜひ行うようにしてみてください。
カランコエの花後の処理について
花を咲かせたカランコエは、その後も次々と新しい花を咲かせてくれます。
その中で、枯れてしまった花と新しく咲いた花が入り混じるようになりますが、そうなってしまった時には、枯れた花が3割ほどついた茎は順次生え際から切り戻すようにしましょう。
また落ちてしまった花びらなども取り除くようにします。
放置しておくと病気の原因にもなってしまいます。
カランコエの切り戻しについて
カランコエは長く栽培していると、茎や葉が茂り花付きが悪くなってきます。
そのため、1~2年に1度、切り戻し作業を行うようにしましょう。
切り戻しとは、伸びすぎた茎などを短く切り、以前のように整った株にすることです。
適期は3~4月か、9月の開花が終わった後に、根元から10cm程度まで切り戻してやるようにします。
根がよく伸びるので、切り戻しをしたらあたらしい用土に植え替えてやるようにします。
またここまで切り戻しても、1か月程度で新しい芽が出てきますので心配する必要はありません。
カランコエの挿し木について
カランコエは「挿し木」で増やすことができます。
生長が盛んな4~9月頃、茎を先端から10cm程度切り取り、切り口を清潔な刃物で斜めに切り吸水面を増やします。
先端の葉を2~3枚残して、他は取り除いた後、切り口を数時間水につけ、湿らせたバーミキュライトもしくは刺し芽の土に挿します。
土が乾かないように日陰で管理し、1か月程度で根が生えてきますので、根がしっかりする6か月程度経過したら鉢上げを行うとよいでしょう。
カランコエの温度について
カランコエは日当たりがよく、風通しのよい場所で管理するようにします。
寒さに弱いので、冬場は10℃以上ある場所で管理するようにしましょう。
気温が5℃以下になると休眠してしまい、長く休眠させてしまうと枯れてしまいますので注意しましょう。
また気温の低い場所で育てていると、つぼみがつきにくくなり、花が見られなくなってしまうこともあります。
カランコエの病害虫について
春、暖かくなりはじめる頃、新芽や蕾にアブラムシがつく場合があります。
発生した場合には、早めに手で取り除くか、薬剤を散布して駆除するようにしましょう。
アブラムシの排泄物は、すす病という病気の原因にもなりますので、駆除することがすす病の予防にもつながりますので、チェックはこまめにするようにしましょう。
もしすす病になってしまった場合には、葉や花が黒ずんでしまったり、斑点が出てきたりします。
もしそのような状態を見つけたら、その部分を切り取り病気が広がるのを防ぐようにしましょう。
とても丈夫で育てやすく、寂しい秋や冬をカラフルに彩ってくれるガーデニングビギナーさんにとってもおすすめの植物、カランコエ。
あなたも、カランコエを育ててガーデニングを楽しんでみませんか?
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