ガーデンシクラメンの育て方、花がら摘み、重要な葉組みについて

秋冬見頃の花

ガーデンシクラメンについて

気温が下がってきて冬が近づいてくると、木々も葉を落としてベランダも少しさみしくなってきますね。

そんな寒い冬の間も花を咲かせてくれる代表的なものに、ガーデンシクラメンがあります。

普通のシクラメンは、耐寒性がそれほど高くないので、室内での管理になりますが、ガーデンシクラメンは、ミニシクラメンの中から特に耐寒性の強い系統を選び品種改良したもので、耐寒性があり冬も戸外で管理できる品種です。

ガーデンシクラメンとよく混同されがちなのが、ミニシクラメンです。

ミニシクラメンはシクラメンを小さく育てただけですので、サイズの違うシクラメンとはいえ、特徴はシクラメンと同じで耐寒性がそれほど高くはありません。

ただ、見た目で違いを見分けるのは難しく、園芸店でも混同して販売されている場合もあるようですので、購入する際にはよく確認してから購入するようにするとよいでしょう。

シクラメンという名前は、ギリシャ語で「回転する」「丸い」を意味するcycleが語源と考えられています。

しかし、このcycleがシクラメンのどのような所を指しているかについては、「花(蕾)が螺旋状に巻いているから」「独特の丸い塊茎(球根)の形から」「花が終わった後の茎が、丸く円を描くように下に曲がることから」など、様々な説がありはっきりとしたことはわかっていないようです。

日本では女性歌人の九条武子(大正から昭和前半に活躍)が、シクラメンの花を見て、花の形がひっくりかえったような形で「篝火のようですね」と言った言葉を聞いた、植物学者の牧野富太郎が「カガリバナ」という和名をつけたといわれています。

その他にも和名で「豚の饅頭(ブタノマンジュウ)」とも呼ばれていました。

ある植物学者がシクラメンの英名(雌豚のパン sow bread)を日本語に翻訳したものです。

しかしそれらの名前はあまり普及することはなく、結局学名の「シクラメン」に落ち着いたようです。
花の少ない時期に、冬から春にかけて次々と花を咲かせ、彩りを与えてくれる私も大好きな花です。

花色は、赤や白、ピンクなどがあり、花の形も色々とあり、選ぶ楽しさもありますよね。

 

ガーデンシクラメンの育て方

 

ガーデンシクラメンの土について

市販されている培養土を使用したもので構いません。

自作する場合は、赤玉土6、腐葉土4を混ぜて利用します。

 

ガーデンシクラメンの肥料について

肥料がなくても、球根ですので問題なく育ちます。

来年も植えるつもりなら、生育する頃(10月から3月)に薄い液肥を2週間に1回程度与えるようにします。

肥料をやるのは、来年の花芽をつけるため球根を太らせるのが目的です。

ですので、来年夏越しさせず廃棄するつもりならば、肥料を与える必要はありません。

 

 

ガーデンシクラメンの苗の選び方

9月頃から店頭に並び始めますが、暑さに弱い品種ですので、あまり早い時期の購入は避けた方が無難です。

10月中旬以降に購入するのがベストだと思います。

反対に寒さには強いのですが、12月も過ぎての購入もおすすめできません。

あまり気温が下がると、根の張りが弱くなってしまうので、弱い株になってしまいます。

元気な株の見分け方は、葉がきれいな緑色をしているもので、葉の数の多いもの。

葉の数だけ花が咲くといわれていますので、葉数の多いつぼみが多く上がってきているものを選びましょう。

そして選ぶ際には、少し葉をよけて株元を見てみましょう。

枯れた葉や腐った葉があったり、カビのあるものは避けるようにしましょう。

苗を植え付ける際は、根鉢がある場合は少し崩して植え付けるとよいでしょう。

また、株元の肩のところの土を取り、球根を少し見えるくらい出してから植え付けると蒸れを防ぐことができます。

 

ガーデンシクラメンの日々の管理

 

ガーデンシクラメンの日当たりについて

寒い時期は日の当たる場所で管理します。

霜にあたっても枯れませんが、土が凍ると枯れてしまうので、強い寒波には注意します。

 

ガーデンシクラメンの水やりについて

比較的乾燥に強く、水をやりすぎると腐ってしまいます。

水やりは土の表面が乾いたら、鉢底から流れるくらいたっぷりと与えます

冬は暖かい午前中に水やりをするようにします。

土が凍ると枯れてしまう原因になるので、夕方以降に水やりをするのは避けます。

球根ですので、一般的な球根と同じように過失には弱いです。

過失に弱いので、葉や花、球根には水がかからないように、株元からやさしく水やりをするように注意しましょう。

水差しなど利用してもよいと思います。

湿ったままにしていると、病気にかかりやすくなります。

 

 

 

ガーデンシクラメンの花がら摘みについて

花が終わったら、花がらをきちんと摘み取るようにしましょう。

ただし、花の部分だけ摘み取るのではなく、茎の根本から手でねじるようにして摘み取ります。ハサミなどで切らないようにします。

摘み取るときに、茎が残っているとそこから腐ってしまう原因になりますので、きちんと取るように気を付けます。

 

ガーデンシクラメンを育てる温度について

耐寒性があり、マイナス5~10度くらいまでは大丈夫ですが、土が凍ると枯れてしまうので注意します。

寒さには強いのですが、暑さには弱いです。

最近は温暖化の影響で、秋口でも暑い日があることもありますが、そんな時は直射日光を避けて涼しい場所に移してやるようにしましょう。

暑さで株が弱り、最悪枯れてしまう場合もあります。

 

ガーデンシクラメンの病害虫について

ガーデンシクラメンがかかりやすい病気の一つに、灰色カビ病があります。

この病気は温度が低く、湿度の高い環境で発生しやすい病気です。

水やりの際に、葉や花、球根には水をかけないように注意します。湿ったままだと病気にかかりやすくなります。

また風通しが悪い場合も、灰色カビ病にかかりやすくなります。

葉に白い斑点ができたり、茎がとけたような症状がでます。

まだ症状が軽い場合は、傷んだ部分を取り、薬を散布するなどすれば回復する場合もありますが、株元までカビが生えて球根がぶよぶよになってしまっていたら、残念ですがあきらめないといけなくなってしまいます。

 

ガーデンシクラメン植え付けの際には、ぜひ「葉組み」を

ガーデンシクラメンの苗を購入して、これから植え付けようというとき、ちょっとひと手間加えるとさらに美しい株を保つことができます。

「葉組み」という言葉を知っていますか?シクラメンには必須のお手入れ方法です。

苗を購入した時、花が中央に固まって咲いていますよね。そして葉は周囲を取り囲んでいます。

でもこれ、自然にそのようになった訳ではないんです。

出荷される前に、生産者さんの手で「葉組み」という作業がされてそうなっているんです。

「葉組み」とは、簡単に言うと

「株の真ん中を空けて花を中心にもってくること」

「株の真ん中を空けることにより、ツボミに光をあてよい花を咲かせる」ことです。

なので、植え付けの際この「葉組み」を再度行ってから植え付けてあげましょう。

そうすると、株がリフレッシュされてさらに美しい姿を長く楽しむことができますよ。

葉組み作業の手順

植え付ける際を想定して説明します。

まず、株元をよく観察して枯れた葉、腐った葉などを取り払います。

そしてポットから苗を抜き、土の肩のところを取り球根を少しむき出しにするようにします。

植え付けの際、深植えになって球根や葉が腐ってしまうことがあるため、それを避ける目的で行います。

球根をむき出しにすれば、植え付けの際土を足すときに深植えになるリスクを減らすことができます。

鉢に植え付ける前に「葉組み」を行います。

まず中心に手を入れ株を広げます。

そして、葉を外側に、花を内側に動かしていきます。

その時、花や葉を交差しないように動かすのがポイントです。交差していると、葉はどうしても上に向いてしまいますので、注意しましょう。

そうして交差している葉や花がなくなるまで繰り返します。

そして花を中央に寄せ、真ん中のつぼみに光があたるようにします。

葉組みした直後はちょっと崩れて見えますが、数日たてばちゃんと整ってきれいになります。

そしてまたしばらく経つと株が乱れてきますので、そうなった際はまた「葉組み」を行います。

この葉組みの手間をかければ、長くガーデンシクラメンを楽しめますので、ぜひ「葉組み」に挑戦してみてくださいね。

そして、寒い冬の間に彩りを加えてくれるガーデンシクラメンの花を楽しんでください。

 

 

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