冬から春にかけて鮮やかな花を次々と咲かせる、サイネリアの育て方

秋冬見頃の花

濃い黄色とオレンジ以外の花色が揃う、サイネリア

ガーベラに似た小輪から中輪の花をドーム状に密集させて咲かせます。

濃い黄色とオレンジ以外なら揃うほど、花色が豊富で鮮やかなので窓辺などを飾るのにもぴったりの花です。

カナリア諸島原産のキク科の多年草ですが、夏の暑さに弱い為日本では一年草の扱いとなっています。

本来はシネラリアというのが正式名称なのですが、「シネ」という言葉を嫌ってサイネリアという俗称が通名になっていますので、お祝いやお見舞いなどに贈ることは避けた方が無難とされています。

しかし、イギリスでは「まもなく良くなる」という花言葉があり、お見舞いの品としても贈られていますので、国によって花のイメージは変わってくるようです。

またその他にも、富貴菊(フウキギク)、蕗桜(フキザクラ)の別名でも呼ばれています。

学名のsenecio(セネシオ)は、ラテン語でsenex(老人)が語源とされ、サイネリアの品種には灰色また白色の冠毛を持つものが存在することに由来します。

また属名のpericallis(ペリカリス)は、peri(周りの)kallos(美しい)からといわれています。

 

 

 

サイネリアの土について

水はけ、水もちのよい有機質が多く含まれた土を好みます。

市販の培養土にたい肥やピートモスを混ぜ合わせるか、自作する場合は赤玉土5、ピートモス3、バーミキュライト2を混ぜ合わせたものを使用するようにします。

それぞれの土については、こちらで詳しく説明していますので参考にしてみてください。

 

 

 

サイネリアの肥料について

植え付けの際に、リン酸が多く含まれた元肥を混ぜておくようにします。

地上部にボリュームがあるサイネリアは、開花時期になると元肥だけでは養分が不足してきます。

花付きの良い状態を維持するためにも、生育期や開花時期である9月~4月の間は10日に1回程度を目安に液体肥料を追肥として与えるようにします。

植物の生育時期に合わせた肥料の与え方について、こちらでも説明していますので参考にしてみてください。

 

 

サイネリアの増やし方について

苗で育てる

苗の植え付け適期は9月頃です。

苗を購入したら、根張りのよい植物ですので、一回り大きな鉢に植え替えてやるようにします。

よい苗の選び方については、こちらでも紹介していますので参考にしてみてください。

また、冬には開花株としても流通しています。

市販の鉢植えを購入した際には、根詰まりを起こしている可能性もありますので、一回り大きな鉢に植え替えてやるのが無難です。

 

 

種まきで育てる

サイネリアの発芽適温は、15~25℃ですので、8~9月頃が適期となります。

種は鉢に直接ばらまくこともできますが、育苗ポットで苗を育てる方法がおすすめです。

育苗ポットの土の上に、種を2~3粒まいて土は被せないように半日陰で管理します。

土は乾かないように水やりを行い、本葉が2~3枚になったら間引いて元気な苗だけを残すようにします。

本葉が6~7枚程度まで育ったら鉢上げを行います。

種まきの発芽率を上げる方法について、こちらで詳しく説明していますので良ければ参考にしてみてください。

 

 

挿し芽で増やす

高温多湿が苦手なサイネリアは、株を夏越しさせるより挿し芽で増やす方法が適しています。

挿し芽は、花が咲き終わった4月下旬から5月頃が適期です。

切り戻しを行った後、株元から出てきた新芽を手で摘み取って湿らせた赤玉土に挿していきます。

定期的に肥料を与えるようにしながら、株の生長に合わせて大きな鉢に植え替えるようにします。

夏の高温多湿を避けるため、風通しのよい明るい日陰もしくは半日陰で管理してやるようにしましょう。

 

 

 

サイネリアの日当たりについて

サイネリアは日光が大好きですので、日当たり、風通しのよい場所で管理するようにしましょう。

高温多湿が苦手ですので、夏越しを無理にさせるより一年草として翌年には新しい苗を購入した方が簡単です。

 

 

 

サイネリアの水やりについて

基本的には、土の表面が乾いたら鉢底から流れ出る程度たっぷりと水やりを行うようにします。

サイネリアの開花期の冬になると、土中の水を吸い上げる力が強くなります。

水切れを起こしやすい植物ですので、注意して水やりを行うようにしましょう。

葉や花びらに水がかかってしまうと、花が痛む原因になりますので株元にやさしく水やりをするようにし、雨が当たらない軒先などで管理するようにしましょう。

 

 

サイネリアの花がら摘みについて

開花が終わる4月頃、花が完全に枯れる前に摘み取ってやるようにしましょう。

こまめに花がらを取り除くことにより、きれいな花を次々と咲かせてくれるようになります。

 

 

 

サイネリアの切り戻しについて

花数が少なくなってきたら、芽のある節の上で切り戻しを行うようにします。

花は4月には終わってしまいますので、3月上旬までには切り戻しを行うようにします。

切り口から新しい枝が伸び、さらに花数を増やすことができます。

 

 

サイネリアの温度について

サイネリアは本来多年草の植物ですが、高温多湿が苦手ですので日本での夏越しは難しいでしょう。

夏前には枯れてしまうことが多いので、日本では一年草として扱われています。

冬も0℃を下回る環境や霜にあたると枯れてしまうため、そのような場合には室内に取り込むようにしましょう。

 

 

サイネリアの病害虫について

サイネリアは高温多湿な環境を嫌います。

過湿な環境では、溶けるように葉や茎が腐ってしまう灰色カビ病や、葉の表面や株全体が粉をふいたように白っぽくなってしまう、うどんこ病が発生しやすくなります。

灰色カビ病を見つけた場合には、早めに傷んだ部分を取り除くようにします。

うどんこ病の場合には、薬剤を散布して防ぐようにします。

害虫としては、アブラムシやコナジラミが風通しの悪い環境で発生しやすくなります。

見つけ次第、手で取り除くか薬剤を散布して防除するようにしましょう。

 

 

 

 

花の少ない冬から春にかけて、鮮やかな花を次々と咲かせてくれるサイネリア。

あなたもサイネリアを育てて、ガーデニングを楽しんでみませんか?

 

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