寄せ植えやハンギングの脇役としても人気の、砂糖菓子のような花姿、イベリス
1cm程の小さな花がボールのように集まって花房を作り、株いっぱいに花がつく姿は、たくさんの砂糖菓子のようで可愛らしく見事です。
花は内側の2枚が小さく、外側の2枚が大きい4弁の小花を多数つけ、一つの花のように集まって咲かせます。
花房は咲き始めは平らですが、咲き進むと盛り上がって長い穂になります。
イベリスはヨーロッパ、北アフリカ、西アジア原産の一年草、多年草になります。
地中海沿岸を中心に30~40種ほど分布し、日本には1870年頃渡来したといわれています。
一年草では「ヒヤシンスフラワー」とも呼ばれるアマラ種(iberis amara)と、花色の多いウンベラータ種(I. umbellata)が多く栽培されています。
多年草では、常緑性で耐寒性が強く、花の花序が長く伸び、太陽に向かって花茎が曲がるという特徴がある和名で「屈曲花(マガリバナ)」、「常盤薺(トキワナズナ)」と呼ばれるセンペルビレンス種(I. sempervirens)がよく栽培されています。
花名の「イベリスIberis」は、原産地スペインの古名「イベリアIberia」に由来し、この花がスペインなどのイベリア半島に多く自生していたことに因みます。
英名ではCandytuft(キャンディータフト)と呼ばれ、砂糖菓子のような花姿から名づけられたものです。
高温多湿や酸性土、多肥を嫌いますが、やせた土地でも開花しますので栽培は容易でガーデニングビギナーさんにもおすすめの花です。
イベリスの土について
イベリスは乾燥気味を好みます。
市販の培養土で大丈夫ですが、水はけをよくするために鹿沼土や軽石などを2割程度混ぜておくとよいでしょう。
センペルビレンス種を確実に夏越しさせたい場合には、山野草用培養土を利用するようにしますが、一年草のように扱うならばそれほど用土や場所は選びません。
イベリスの肥料について
根がデリケートなので、できるだけ苗が小さいうちに元肥を与え、根を傷めないように注意して植え付けるようにします。
月に1~2回、1,000倍に薄めた液肥で追肥しますが、肥料を与えすぎると葉が極端に茂り見た目が悪くなりますので、やや少なめに与えるくらいがよいでしょう。
イベリスの苗の選び方
葉が緑色で生き生きとしたものを選ぶようにしましょう。
開花している株を選ぶ場合には蕾の多いものを選ぶようにします。
苗については、こちらでも紹介していますので参考にしてみてください。
イベリスの種まきについて
1年草のイベリスは、9月中旬頃が種まきの適期になります。
イベリスは直根性(根が地中深く枝分かれすることなく、真っすぐに伸びる性質)なので、直まきが向いています。
育苗箱などに種まきをする場合には、太い根を傷めないよう注意しながら早めに移植しましょう。
イベリスは過湿を嫌いますので、水のやり過ぎは枯らす原因になりますので注意します。
種まきについては、こちらでも紹介していますので参考にしてみてください。
イベリスの日当たりについて
イベリスは日当たりがよく、風通しのよい場所を好みます。
夏は、強い日差しの当たらない半日陰のできるだけ涼しい場所で管理してやりましょう。
イベリスの水やりについて
イベリスは冬から春にかけて育て、開花する植物ですので、水やりをする際には午前中に行うようにしましょう。
土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出る程度たっぷりと水やりを行うようにします。
鉢植えの場合には、梅雨時期には雨の当たらない場所で管理するようにします。
イベリスの花がら摘みについて
イベリスは多花性ですので、開花中は花がらをこまめに摘み取るようにすると花付きが良くなります。
イベリスの剪定、切り戻しについて
多年草のイベリス・センペルビレンスは、花後と株が乱れたとき、冬前などに株をバッサリと刈り込んでおくようにすると、常に株を美しい状態に保つことができます。
刈り込みをしないと株が蒸れやすく、過湿を嫌うイベリスの為にも定期的に剪定してやるようにしましょう。
イベリスの増やし方について
1年草のイベリスは、種まきで増やすことができます。
種まきの適期は秋になります。
種まきでは、個体差があり親株と同じ花色にならないことがあります。
多年草のイベリスは、株分けか挿し芽で増やすようにします。
開花後すぐに行うか、秋に涼しくなってから行うようにします。
大株や古株になるほど夏に枯れやすくなりますので、挿し芽などで株を更新しておくとよいでしょう。
イベリスの温度について
日照が多く、比較的温暖で乾燥した地中海性気候の環境を好みます。
ウンベラータ種など、秋まき1年草の種類では、日当たりと水はけのよい場所で育てるようにし、寒冷地では防寒が必要となります。
多年草のセンペルビレンス種は、耐寒性が強く寒地でも冬越し可能ですが、高温期の高温多湿に弱く、蒸れて株が腐りやすくなりますので、水やりには注意が必要です。
イベリスの病害虫について
多湿な環境では、灰色カビ病に罹りやすくなりますので、日当たり、風通し、水はけをよくして予防するようにしましょう。
アブラムシが発生することがありますので、発見したら早めに薬剤を散布するなどして防除するようにします。
花付きが非常によく、最盛期には株が見えなくなるほど花を咲かせてくれる、イベリス。
あなたも、可愛らしい砂糖菓子のようなイベリスを育てて、ガーデニングを楽しんでみませんか?
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