耐寒性も高くビギナーさんにも育てやすい、釣り鐘のような花姿のカンパニュラの育て方

春夏見頃の花

釣り鐘のような形の花を咲かせるカンパニュラ

カンパニュラは、南ヨーロッパ原産の温帯から冷帯地に広く分布している植物で、古くからヨーロッパで栽培されてきました。

多年草のものがほとんどですが、1年草、2年草のものもあります。

カンパニュラの種類は300種ともいわれ、耐寒性が強く、病害虫も少なく育てやすい植物で、種類により花壇、鉢、切り花と様々な用途のものが揃います。

その中でもカンパニュラ・グロメータは、リンドウに似た濃紫色の花を咲かせ、和名では八代草(ハツシロソウ)とも呼ばれています。

カンパニュラ・パーシシフォーリアは、キキョウに似た花を咲かせ、葉がモモの葉に似ていることから和名では、桃葉桔梗(モモバキキョウ)と呼ばれています。

カンパニュラ・メディウムは、2年草で切り花に向いており、ベルフラワーなどが宿根草になります。

釣り鐘の形の花を咲かせ、和名で風鈴草(フウリンソウ)、釣鐘草(ツリガネソウ)とも呼ばれており、最もポピュラーな種類となります。

また、カンパニュラとはラテン語でCampana(小さな鐘)を意味し、花の形が釣り鐘に似ていることから付けられました。

その他、ギリシャ神話ではカンパニュールと呼ばれる美しいニュンペー(ギリシャ神話に登場する精霊や下級女神)が、オリンポスで果樹園の番人をしていました。

ある日、果樹園に侵入した兵士を見つけたカンパニュールは、銀の鈴を鳴らして助けを呼びますが、兵士に命を奪われてしまいました。

その死を悼んだ花の女神フローラが、彼女を鐘の形をしたカンパニュラの花に変えたという話も伝わっています。

そんな神話から「守れなかった命の花」ともいわれるようになりました。

小さな釣り鐘状の花が群がって咲くカンパニュラは、ハンギングやグランドカバーなどでも人気の植物です。

 

 

 

 

カンパニュラの土について

市販の培養土を利用するとよいでしょう。

ただし、カンパニュラは酸性土を嫌いますので、石灰などを混ぜて中和しておくのもよいでしょう。

 

 

 

カンパニュラの肥料について

植え付けの際に、元肥として緩効性肥料を混ぜてやるようにします。

開花期は4~6月となり、その時期には液体肥料で追肥を行うようにしましょう。

頻度は週に1回程度を目安に与えるようにします。

 

 

 

カンパニュラの苗の選び方

種類が豊富なカンパニュラは、種類によって苗、茎や葉の生長の仕方が異なります。

しかし共通していえることは、葉が黄色や茶色に変色しておらず、株がヒョロヒョロと徒長したものは避けるようにするということです。

苗の選び方については、こちらでも紹介していますので参考にしてみてください。

苗は、9~10月もしくは3~4月頃に植え付けを行うようにします。

カンパニュラは多湿を嫌いますので、株間は30cm程広く開けておくようにし、花茎が伸び始めたら支柱を立ててやり、倒れないようにしてやりましょう。

 

 

 

カンパニュラの種まきについて

種まきはカンパニュラ・メディウム種のみ行います。

2年草のタイプでは、秋にまくと翌々年の春、5~6月にまくと翌年の春に開花します。

メイシリーズやチャンピオンシリーズなどは8~9月に種まきを行います。

まず、湿らせたバーミキュライトなどか、水をたっぷり含ませたビートバンに種をばらまきます。

この時、好光性種子なので覆土はしないようにします。

種まきについては、こちらでも紹介していますので参考にしてください。

 

 

 

カンパニュラの日当たりについて

カンパニュラは日光を好みますので、日当たりのよい、風通しのよい場所で管理するようにします。

軒下や日のあたらないベランダなどの日陰で管理していると、花は咲いても色あせてしまうことがありますので、よく日に当ててやりましょう。

 

 

 

 

カンパニュラの水やりについて

カンパニュラは多湿を嫌います。

土の表面が乾いていることを確認してから、鉢底から流れ出る程度たっぷりと水やりを行うようにします。

 

 

 

カンパニュラの花がら摘みについて

花が咲き終わった後、種をつけようとして株の栄養を奪ってしまうので、花がらはこまめに摘み取ってやるようにしましょう。

花の付け根部分から全体を軽く刈り込み、枝は残しておくようにします。

 

 

 

カンパニュラの株分けについて

カンパニュラは、株分と種で増やすことができます。

株分は、9~10月もしくは3~4月の花が咲いていない時期に行うようにします。

根が鉢いっぱいに回ったタイミングで、小さい株なら手で、大きい株はナイフなどで茎に根がついた状態で分けていきます。

 

 

 

 

カンパニュラの温度について

カンパニュラは高温多湿な環境を嫌いますので、風通しがよく、日当たりの良い場所で管理し、真夏の強い日差しも避けるようにするとよいでしょう。

また、寒さには強く、雪にも耐えて春には新芽を出してくれますが、霜にあたると葉が茶色く変色することがあるので、霜と強風が直接当たらない軒下などで管理するようにします。

冬に暖かな室内で管理していると、花芽ができなくなってしまうことがありますので注意するようにしましょう。

 

 

 

カンパニュラの病害虫について

病気、害虫の少ない丈夫な植物ですので、ガーデニングビギナーさんにもおすすめの植物です。

多湿を嫌いますので、水はけの悪い環境では立ち枯れ病になる場合がありますので注意します。

アブラムシやハダニなど見つけた場合には、早めに薬剤を散布するなどして防除するようにします。

 

 

 

種類も豊富にあり、釣り鐘のような可愛らしい花を咲かせてくれる、カンパニュラ。

丈夫で育てやすいので、あなたもカンパニュラを育ててガーデニングを楽しんでみませんか?

 

 

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